そんなこんなで、がん治療は、
私にとってはかなりきついものだった
一般には、
『ホルモン療法は、化学療法より副作用は軽い』
そう言われている
確かにホルモン療法は、
化学療法のような脱毛もない
(個人差は大きいが、抜け毛は増える)
激しい吐き気も、高熱が出ることも、
爪の色が変わることも、「ない」と言っていい
が、治療は“5年”
(現在のガイドラインでは“10年”に変わったようだが)
長い治療期間だ
「そんなにホルモン療法がつらいなら、
抗がん剤に変える?
抗がん剤なら、治療は3か月だね」
そんな提案を主治医からしてもらったこともある
あまりの副作用のつらさに、
「治療をやめる、やめない」で
主治医と何度も話し合ったときのことだ
「でも、髪、抜けるよ。
1年くらいでまた生えてくるけど」
と、私の髪が長いことを
気にかけてくれていたようだった
今思うと、私のがん細胞は珍しいもの
“化学療法も放射線も効果がない”
そのときは、その事実を私は知らなかった
「ホルモン治療、続ける」
と、
今にも消え入りそうな声で答えた私に、
主治医は納得したように頷いたとき、
その答えは“正しい”と感じた
きつい副作用の中、
“治療続行”を決めた理由はいくつかある
①治療をやめたところで、
体調がすぐに戻るかどうかわからない
実際に5年の治療終了後も
5年間、体調不良のままだった
②がんは、命にかかわる病気だ
こんなに簡単に治療をやめるなんてことが
許されるのか...
③頑強ながんをやっつけるためには、
これくらいのつらさには耐えなければならない
つらいのはきっと、
薬ががん細胞をやっつけてくれている証拠
④主治医に、
「年齢的にも、今、治療をしておいた方が、
長く生きられる可能性が高い」と
言われたこと
...が、主な理由だ
やれるだけのことをやって、数年後、
再発してしまったのなら仕方がない
が、このまま治療をやめて
万が一再発してしまったら、
きっと私は後悔する
後悔だけはしたくない
できる治療があることは、救いだ
治療開始から1年が過ぎたとき、
「まだ1年か・・・。
あと4年もこのきつさに耐えなければならないのか...」
そう思い、
2年が過ぎたとき、
「まだ半分も来ていない」
と、未来が長いことに挫けそうになり、
3年が経ったとき、
「ようやく半分以上が過ぎた。
もう少し、もう少し...」
と。ちょっとだけ明るい光が見えはじめた
4年を迎えたとき、
「ゴールはもう少しだ」
そんな希望を感じた
が、がんは、
“治療を終えること”が“すべて終わり”ではない
“一段落”でしかないのだ
目的・目標は、もっともっと先にある
それは、“完治”
すべての治療が終わったとき、
安堵感と一緒に襲ってきたのは、
“恐怖感と不安”だった
それは、“頼るものがなくなった”という不安
毎日飲んでいた薬を飲まなくなったことで芽生えた、
“再発の怖さ”だった
もちろん、“再発をしないため”の治療
きつい副作用に耐えたのだ
再発なんかしてたまるか――
今は、
「母と同じ道を辿りませんように...」
そう願うだけである
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Source: りかこの乳がん体験記
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