“死”に敏感になる。

がんになると、
雑誌や新聞などの
『がん』という文字に目が留まり、

テレビから聴こえてくる『がん』という音に反応する

以前は全く他人事だった病

が、自分がかかると、こうも変わるものなのか

これじゃあ、まるで、“がん過敏症”である

  いや、私が勝手に名付けたのだが...

それと同時に敏感になるのは、“死”だ

がんがわかったとき、
真っ先に頭に浮かんだのは、

「いつまで生きられるのだろう」

という思い

簡単に、がんでは死なない

が、やはり心の奥底には、
“がん=死”という図式が成り立っていた

そして実際に、
周囲でがんで亡くなる人がいると、
やはりその衝撃は大きい

同じ病室に入院していた人が
一人、また一人と亡くなってゆくと、

「次は自分の番か」

そんな恐怖にも襲われる

その不安を煽るのは、
きっと、
がんはまだ解明されていないことが多いから

だから特効薬もない

だから、再発の可能性もある

それが、“死”と結びつける

そんながん患者は、きっと、
命の尊さを知っている

命の重さを感じている

自ら命を絶とうとしている人に、

「どうか、死なないで」
「生きて」

そう強く願う

そこにはどんな理由があるのかはわからない

が、「生きてほしい」

自ら命を落とすのは、
あまりにも痛ましすぎるから

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Source: りかこの乳がん体験記

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