マジカルナンバーという言葉を聞いたことがあるだろうか。
2001年に心理学教授ネルソン・コーワンが発表した論文によると、人間が短期記憶で覚えられる数は3~5個なのだという。
これが「マジカルナンバー4±1」と呼ばれている。
例えば1060032という文字列を覚えるのは難しいだろう。
ところが〒106-0032と区切られると覚えやすくなる。
郵便番号だけでなく電話番号などにも当てはまる。
ここで皮膚科診断について考えてみる。
皮膚科診断とマジカルナンバー
皮膚科診断学の教科書を開いてみると、最初に出てくるのは原発疹と続発疹である。
とても重要な考え方ではあるが、大量の漢字が並んでいて初心者にとってはとっつきにくく、皮膚科が難解と思われる原因になっている。
さらにマジカルナンバーを考えると、初心者が原発疹と続発疹を一度に全部識別するのは難しいんじゃないだろうか。
そこで以前、紅斑のみかたを表面の性状というポイントだけに絞って解説した。
詳細はこちら>>初心者のための皮疹のみかた
それでは紅斑以外の皮疹はどのように診たらよいのだろうか。
今回は「note」にアップしているチェックポイントを2つだけに絞った皮疹のみかたを紹介する。
皮膚科診断アルゴリズム
①皮疹の分類のしかた
まずチェックポイントを「水疱があるか?」と「赤いか?」の2つだけに絞る。
これで皮疹を3つのカテゴリーに分けることができる。
詳細はこちら>>皮膚科診断アルゴリズム総論
②液疱性病変のみかた
そしてカテゴリーを一つ一つ検討していく。
まず水疱がある場合のアルゴリズムを解説した。
詳細はこちら>>皮膚科診断アルゴリズム各論①
③紅色病変のみかた
水疱がない場合は病変を「赤」と「赤以外」に分類する。
まず赤い病変の診断アルゴリズムを解説した。
詳細はこちら>>皮膚科診断アルゴリズム各論②
④非紅色病変のみかた
近日公開。
まとめ
現在の皮膚科診断学については個人的に不満があり、新しい切り口でまとめ直せないか思考錯誤している。
今後もブログで色々と投稿できればと思っている。
▼表面の性状で考える紅斑のみかた▼
▼皮膚科に診断推論応用する方法▼
以前初心者のために皮膚科診断学の記事を書いた。
今回はさらに進んだ中級者向けの皮膚科診断の話。
内科診断学には診断推論という考え方が存在する。
診断推論とは、患者の訴えを聞いたあと鑑別診断を始めるま…
Source: 皮膚科医の日常と趣味とキャリア
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