“再発”の意味を、きっと母は知らない――。

“がんが再発する”ということ――

それは私たちがよく知っている

が、母はきっと知らなかった

その先に、“死”があることを

「治療をすれば治る」

そう思っていた

いや、それはそれでいいのかもしれない

「治る」
「治す」

そう信じることは、奇跡を生むかもしれない

それが、“言霊”となるかもしれない

が、それでも傍らで看ている者としては、
そんなに楽観的に捉えられるものではない

それは、父も同じだった

再発をしても、
手術、治療をすれば治ると思っていた

余命を告知される頃には、
症状も一気に悪化してゆく

が、老衰で亡くなった祖父や祖母のように、
寝たきりでも、5年、10年と生きられる

...そう思っていた

がん細胞は、倍...倍...と成長してゆく

終末期には母の肺の転移が
みるみる大きくなっていたことも、

「2か月前は、こんなに大きいなんて聞いてない!!」

と、主治医に食ってかかった

父にしてみれば、

「こんなに大きくなる前に、きちんと治療してくれ」

そんな憤りが募っていたのだろう

「もう、手の施しようがないんだよ、お父さん...」

そんな言葉が喉まで出かけたが、
まだ“治る”と信じていた父には、さすがに言えない

私たちは、“再発”と知ったときには、
ある程度の覚悟がつけられる

が、“再発の意味”を知らないひとにとっては、
どんどん症状が悪化してゆくことに歯痒さを覚えるだろう

「なぜ治療をしてくれないんだ」

と、医師への不満を口にする人も少なくない

だから、再発をしないように治療をする

『“がん”は、最初が肝心』と言われるように、
はじめの治療でいかにがんをたたくか...

すべては、“再発をさせないため”

残念ながら、今の医療では、
再発の“完治”はない

“再発をさせない完全な治療法”もない

化学療法やホルモン療法で、
全身のがん細胞をやっつけたはず

身体の中のがんを消すため、
つらい副作用にも耐えた

が、また“芽”が出てくる

身体のどこに、がんが潜んでいるのか...

薬物の間隙を縫って生き延びているがん細胞は、
やはり怖い存在である――

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Source: りかこの乳がん体験記

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