新型コロナウイルスに曝露する量と重症度は相関する?曝露とはウイルスなどにさらされることを指します。
古くから基礎の研究者は動物実験の際に「曝露された宿主(動物)の50%が死亡するウイルスの致死量(LD50)」という概念を用いてきました。
LD50とは、例えば「◯◯ウイルスを10の8乗コピー体内に注入すると、半分のマウスが死ぬ」という場合のウイルスの量のことです。一般論として、動物に最初に曝露させるウイルス量が多いほど、その動物は重症化しやすくなることが知られています。
新型コロナでも、ハムスターに曝露させるウイルス量が多いほど、そのハムスターは重症化しやすいということが、東京大学医科学研究所の河岡先生らのグループから報告されています。こうした実験はなかなか人間にはできませんが、インフルエンザウイルスをボランティアの人間に曝露させた研究があります。
この研究では、曝露させたインフルエンザウイルスの量が多ければ多いほど、インフルエンザの重症度が高くなり、症状の持続期間も長くなったという結論でした。新型コロナウイルス感染症の重症度を決定する上でウイルスの曝露量が関連しているとすれば、マスクを着用することで曝露されるウイルスの接種量を減らすことができれば、重症化を防げるかもしれない、ということになります。
マスクの種類によって効果は異なりますが、多くのマスクは飛沫を濾過することができるため、ウイルスを含む飛沫の量を減らすことでウイルスそのものの曝露量も減らすことができるかもしれません。
ちなみに、マスクの種類による飛沫の濾過効果の違いを見た研究では、ほとんどのマスクは医療従事者が用いるサージカルマスクやN95マスクとそれほど遜色のない濾過効果があると考えられます(ただしバンダナやネックゲイターは何も着けていないのとほぼ同じくらいの効果しかない)。
Source: 身体軸ラボ シーズン2
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