下痢の際に水分補給は重要です。では、どのような水分摂取が適しているのでしょう。
吐いたり下痢をしたりすると、体から水分だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質も失われます。ナトリウムやカリウムは細胞の働きに重要で、これらがなくなると体の働きが落ちてきます。
また、糖分も必要です。腸で吸収される際に、ナトリウムやブドウ糖があると効率よく吸収できます。なので、ナトリウム(塩分)やブドウ糖(糖分)を含んだものが良いことになります。
では、スポーツドリンクはどうでしょう。スポーツドリンクは、スポーツ飲料であり、失われる汗の塩分を補給するために作られています。スポーツドリンクには、吐いたり下痢したりした際に失われる半分の塩分(ナトリウム)濃度しかなく、しかも、糖分が多すぎて腸の刺激になります。
いいのは、WHO(世界保健機関)が推奨している経口補水液(ORS)です。経口補水液は、下痢や嘔吐の脱水に対して、水分、塩分補給のために用いられるものです。
作り方は、比較的簡単で、1リットルの水に、小さじ(5cc)すり切り6杯の砂糖と小さじ1/2杯の塩を混ぜるだけです。これにオレンジジュース100ccを混ぜるとカリウムも補充できますし、味も良くなります。
小さじがない場合は、ペットボトルのフタがちょうど5ccになるのでこれで代用も可能です。経口補水液は、ドラッグストアなどにも、「OS-1」というものが売ってあります。他、塩分を含むものとしては、みそ汁があります。塩分がやや強いので少し薄めたほうがいいでしょう。
カリウムの補充としては、果物や野菜が適しています。すりおろしたリンゴもいいでしょう。リンゴにはペクチンが含まれており、ペクチンはジャムのとろみを出す添加物としても使われますが、下痢にも効果があります。野菜スープもカリウムだけでなく塩分補給になり効果的です。
口から水分が摂取できないような状態なら、点滴が必要なこともあります。その場合は、近くの医療機関に相談しましょう。
Source: 内科医「コンソン」の意外と知らない医療のハナシ
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