肛門科でskin tagの手術が断られがちな理由~裏事情~

内科医

まずは
「おしりのヒダヒダ(skin tag/皮垂)を取りたい人はいますか?」を
http://blog.livedoor.jp/osr48/archives/55226481.html

↑前回の続きです。

しかし、実際、
なんで、
skin tagの手術は断れらてしまうことが多い
のでしょうか?

以前に行われた「肛門科女性医師の研究会」でも、
やはり、みなさん、できればやりたくない、という方が多かったです…

一人一人のドクターに断った理由を聞いたわけではないので、あくまで想像ですが
以下の理由があると思います。

①手術後、腫れる可能性がある

手術後数日間~1週間くらいは肛門手術は
お尻が腫れやすく、その期間
場合によっては取る前くらいにボコボコお尻が腫れることがあり

「取ったはずなのに、まだあるーーー!」
という事態が起こりうるんです

もちろん術後腫れないように手術も工夫しているのですが、
術後歩き回ったり便秘で力んだりお尻に負担がかかるとより腫れやすくなります

で、腫れると、痛いです…😥

まぁ、これは、痔核の手術にも当てはまるわけですが

数週間かけてこの腫れはひいていくのですが、最初にある程度、ご説明しておく必要があると思います。

元々小さいskin tagだと、下手したら術後のほうが腫れる可能性もあり、この辺をご理解いただくのが難しいというか、
説明がめんどくさい‌と思うドクターがいるのも理由の1つかと考えられます。


②切除した傷(周囲)がモコモコ盛り上がってくる可能性がある。

傷が治ってくる過程で、
傷(周囲)がモコモコと、ケロイドみたいに盛り上がってくる可能性があります。
これも手術の方法で何とか防げるように工夫はしているのですが、
色々な影響が加わり、絶対ゼロとはいえません。


便が毎日通るところであり、
なかなか赤ちゃんみたいなお尻になるのは難しいのです。

①の理由で腫れた皮膚がしぼんできて、新たなskilled tagができることもあり得ます。

でも、
どのような理由にしろ、
手術後、外来通院していただいている中で、あまりにもデコボコモコモコが目立つようであれば、
トリミング(形を整えるためにちょっと追加で切ること)で、大体の場合はなんとかなります

この辺も説明がめんどくさいと思われるドクターがいるかもしれません。

③患者さん方の求めるレベルが高い

基本的には元々「見た目」の問題であり、
どちらかというと美容手術に近いため、

小さいskin tagの方で切除を希望された方は元々ちょっとしたデコボコでも気になっていたわけで、
そうするとやはり、術後のちょっとした凹凸も気にされる方が多いです。

上に書いたように
術後のトリミングでなんとかなるのですが、

何て言うんですかね、

めっちゃ大きいいぼ痔を手術で取ったら、
すっきりして感謝されやすいと思いますが、

元々小さいskin tag の場合は、
よっぽど完璧にキレイにならないと、
満足いただけにくいケースが多いからかなと、思います




こんな理由で、
断れてしまうのかなーと、思いますが、


とは言っても、
患者さんも
取りたいものは取りたいんです

ご期待に添えるように
何とか腫れないように、
腫れようがないように手術を工夫するのがマイブームです‌


で、実際、
「他の病院で断られた」と切除希望され来院される方が多いのですが、

そもそも、
どんな理由で切除を希望される方が多いと思いますか?

つづく

※長文失礼致しました🙏

↓ずっと前に
skin /皮垂を「イソギンチャク」と表現された方がいたので🙆

200805


Source: 埼玉の大腸肛門科(肛門・痔・大腸内視鏡)ママ女医のブログ

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