おはようございます。
本日は、やしろあずきさんの『人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ』という書籍のレビューです。
日本人は比較的勤勉な人が多く、逃げることを悪とする風習がありますが、常に逃げる選択肢を持って物事に臨むことは実は大変重要なことです。
もちろん少しでも嫌になったらなんでも逃げろというわけではなく、戦略的に逃げてその時々で自分に最適な立ち位置に身を置くことを心がけることが大事です。
本日はこの「戦略的に逃げる」ことの重要性について取り上げます。
『人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ』:常に逃げる選択肢を用意することの重要性
表紙だけ見ると若干の胡散臭さが否めませんが、その中身はシンプルながら非常に重要なメッセージが述べられています。
本日の書評の要点は以下の通りです。
1) 「本当に嫌になったら逃げればいい」という考えを心の支えにする
2) 体力や精神力がゼロになる前に逃げることが重要
3) 戦略的に逃げ、ピポット型のキャリアを歩む
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
「本当に嫌になったら逃げればいい」という考えを心の支えにする
仕事に対して真面目な人ほど、以下のような考えで自分を知らずのうちに追い込んでしまいます。
・どんなに目の前の現実が辛くても逃げるなんてありえない
・他人に迷惑をかけるくらいなら自分が犠牲になった方がよい
・石の上にも三年。辛くて辞めたくなっても3年はそのキャリアにしがみつくべき
著者は、こういった考えは非常に危険だと警鐘を鳴らします。
真実はこの逆で、「逃げることは悪ではない。本当に嫌なことからは逃げてもいい」です。
体力的にも精神的にも限界まで追い詰められている方は、少なくとも会社を休んで距離を置き、その間の自分の状況を客観視しましょう。
一番よいのは他人に正直に相談することです。
仮に目の前の状況が何も変わらなくても、一人で抱え込まずに他人に相談しただけで気が晴れることはよくあります。
体力や精神力がゼロになる前に逃げることが重要
本当に悪質なブラック企業の場合、何が一番怖いかというと他の選択肢を考える余裕すら失ってしまうことです。
目の前の仕事をコツコツこなすだけでいっぱいいっぱいになり、それ以外の重要なことを振り返る時間や習慣すら失ってしまうのです。
そういう状態に追い込まれてしまうと、本人は自分のことを客観視できなくなっていますので、他の選択肢があることに気がつくことすらできません。
よって、そのまま体力や精神力がゼロになるまで働き続けてしまい、本当にギリギリの状態になって突然姿を消すといった事態になります。
「戦略的に逃げる」という選択肢を用意していなかったがために、誰にとっても不幸としか言えない形で取り返しのつかない逃げ方をしてしまうのです。
一人で抱え込まずにもう少し早く友人や上司に相談するなど適切なアクションを起こせばよかったのでしょうが、真に追い込まれるとそういう余裕すら無くしますから注意が必要です。
戦略的に逃げ、ピポット型のキャリアを歩む
上記のような不幸な事態を避けるためには、
・自分の人生を自分の力でコントロールする意思を持つ
・常に「逃げる」という選択肢を用意しながら働く
・会社で働くというのは人生の数ある選択肢の1つにすぎないことを知る
・キレイに、戦略的に逃げる方法を日頃から考えておく
・複数の収入源を確保しておき、1つの島が沈没しても次の島へ移れる準備をしておく
ことが重要です。
少しでも嫌になったらすぐに逃げることを推奨しているわけではなく、いくつもの島(収入源)を用意しておき、1つの島がダメになったら次の島へすぐに移る身軽さが重要だというkことです。
これは、北野唯我さんが『転職の思考法』という本の中で述べている「ピポット型キャリア」に通じる考え方ですね。
蛇足ですが、『転職の思考法』は今後のキャリアプランで悩んでいる方は全員必読の1冊ですので、ここでおすすめしておきます。
まとめ
『人生から「逃げる」コマンドを封印している方へ』の書評でした。
変化の激しい時代においては、戦略的に逃げる選択肢を用意しておくことが大変重要です。
何が何でも1つの会社にしがみつくという考え方は捨てた方がよいでしょう。
【おすすめ本】
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『13歳からのアート思考』です。
アートに全く興味がない方にこそぜひ読んでほしい一冊です。美術作品の見方が根本から覆る可能性がある魅力にあふれた一冊です。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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