現 状。

まもなく手術から14年

現状は――

 ○体調は...

  ホルモン治療が終わって数年間は、
  身体に影響が残っていた

  今は、まぁ、そこそこ

  手術をする前と同じには戻らないし、
  戻れないと実感

 ○手術の傷の痛みは...

  おっぱいを切ったところは、
  力を入れると痛みが出る

  それよりも、やはり、
  腋窩リンパ節郭清の影響が強い

  腕と乳房の皮膚の感覚はかなり戻ったものの、
  今でも鈍い

  くしゃみをすると、腕の麻痺をした部分に、
  ビリビリと電気が通ったような痛みが走る

  寒い季節や季節の変わり目になると特に、
  郭清をしたわきの下が痛み、
  腕の伸びも悪くなる

  きのうの夕方から断続的に強い痛みあり
  (これまで経験したことのない痛み)

  今日は指先までピリピリとした痺れと、
  腕全体に痛みがある
  (これは時折訪れる現象)

 ○気持ちの変化は...

  当初ほど、恐怖感や不安感はなくなった

  がんであることを忘れている時間が
  圧倒的に増えた

  周囲への感謝の思いはより強くなった

  今、こうして生きていることが
  本当にありがたいと思う

  でも、やっぱり“乳がん”ということには変わらないし、
  忘れられない

  “乳がん”という現実も、消去することはできない

  再発の不安も、ないわけではない

  ただ、

  「乳がん経験者の先を歩く者として、
   がんでつらい思いを抱えている人たちの力に
   少しでもなれたら...」

  ...という思いは強く持ち続けている

そんな14年の心と身体の変遷――

腰が痛ければ、「骨転移か...」

咳が出れば、「肺に転移したのか...」

と、
少しでも身体に何かあるたび再発を恐れていた

そんな今では、咳が出れば、

「“コロナ”か?」

と、思う時代――

  あんなにあんなに苦しんで、悩んで泣いて...

  出口の見えない真っ暗な長い長いトンネルに
  独り迷い込んだあの頃...

  「出口なんてあるのか」
  「本当に、ここから出られる日が来るのか」
  「そしてそれはいつなんだ」

  と、がんという鬱と、
  治療の副作用の鬱に翻弄され続けた日々

  時間はかかるかもしれない

  が、必ず光は見える

  真っ暗な長いトンネルから
  抜け出せる日は必ず来る

  独りじゃない

  仲間がいる――

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Source: りかこの乳がん体験記

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