11月の書評は7冊。
★★★★★90~100 年間ベスト級
★★★★☆80~89 読む価値あり
★★★☆☆60~79 読んでもムダじゃない
★★☆☆☆40~59 人を選ぶ本
★☆☆☆☆40未満 時間の無駄?
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「銀河英雄伝説に学ぶ政治学」の書評
評価★★★★☆85点
銀河英雄伝説の解説本。
この本では、銀英伝のメインテーマである独裁政治vs民主政治について掘り下げられている。
作中で語られるように、優れたリーダーによる独裁政治は愚かなリーダーによる民主政治に勝る場合がある。
実際に自由惑星同盟は失策を重ねたあげく、銀河帝国に滅ぼされてしまったわけである。
これを今の世界情勢と対比させるとさらに面白くなる。
第二次世界大戦、冷戦の結果から民主主義が最も優れていると思いがちだが、これまでの歴史は独裁政治と民主政治のシーソーゲームが続いているようだ。
昨今の中国の台頭や、コロナ対策での迅速な動きは一党独裁の強さを感じさせられる。
大きな流れで見ると、民主主義の後退は必然なのかもしれない。
そんな考察もできる銀英伝の懐の深さを感じさせる解説本だった。
「サイゼリヤ革命」の書評
評価★★★★☆80点
サイゼリヤを分析してヨイショした本。
本の内容が素晴らしいというよりは、サイゼリヤの経営方針が好きなので、この点数。
サイゼリヤが重視しているのは効率性である。
不器用な従業員であっても困らないように、すべての仕事を簡略化し、効率化することが徹底されている。
それによって品質を安定させ、生産性が上昇し、企業の利益につながる。
「従業員のやりがい」みたいなキレイゴトに持っていかないところに好感が持てるのである。
「孫子・戦略・クラウゼヴィッツ その活用の方程式」の書評
評価★★★★☆80点
孫子の兵法とグラセヴィッツの戦争論という2大戦略書を比較して解説するという、1粒で2度おいしい書籍。
これらには正反対のことが書かれている部分があるそうだ。
その理由はそれぞれの設計思想が異なっているから。
兵法は負けたら国が滅亡してしまう一発勝負。戦争論は何度も戦闘を重ねる勝負を想定している。
そのため兵法はとにかく慎重で、戦わずして漁夫の利を得るのが最上という考え方。
一方戦争論は具体的な戦い方の指南書になっている。
自分のような兵法も戦争論もよく知らない初心者にとっては、とても良い本だと思う。
「非常識な成功法則」の書評
評価★★★☆☆75点
神田昌典氏の自己啓発本。
2002年に出版された本なので、20年の間に非常識が常識になってしまっている部分もある。
目標を紙に書いたら実現するなんていうのはよく言われていることだが、それだけ先見の明があったということだろうか。
白眉なのは、成功の法則本によくある「人に役立つことをしよう」とか「謙虚さが大事」とかの道徳的な教訓について書かれた部分。
これらは金銭的な成功のためには必要ないが、成功したあとに必要になってくるものだと神田氏は述べている。
そのため成功者が自分に言い聞かせるために本に書いているのだという。
名経営者の本を読むと道徳的な教訓ばかりで嫌になるけれど、そういうふうに見ると納得できた。
「ゆるく考えよう」の書評
評価★★★☆☆75点
ちきりんブログのまとめ本。
人生は早めに諦めよう、有意義なことをしない休日を過ごそう、などついつい頑張りすぎてしまう人のためのアドバイスが満載である。
心が軽くなる良いアドバイスであることは確かなんだけど、ちきりんがムチャクチャ才能があるインフルエンサーであることも忘れてはいけないだろう。
はたして凡人が同じことをやってもうまくいくのか。
その点は疑問ではある。
「もう一つの戦略教科書「戦争論」」の書評
評価★★★☆☆70点
こちらはグラセヴィッツの戦争論に特化した書籍。
先程の本と同じ作者なので、やはりわかりやすい。
戦争論はもっと戦争の実用書的なものなのかと思っていたが、戦争とは何かを分析した学術書だったようだ。
哲学書に近いのかもしれない。プラトンの合理主義に基づき、戦争の現象から本質を抽出することに身骨を砕いている。
ここから日常生活やビジネスに役立つエッセンスを抽出するのは意外と難しいのかもしれない。
「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」の書評
評価★★★☆☆60点
最近ちきりんファンになった人間として、ちきりんの本はコンプリートしておきたい。
ということでリノベの本を読んでみた。
うーん。やはり賃貸暮らしの自分にとっては、あまり得るものはなかったかな。
いままでよくわかっていなかったスケルトン工事について理解できた点は、メリットではあった。
Source: 皮膚科医の日常と趣味とキャリア
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