久し振りに友だちや知り合いに会うと、
「元気？」と声をかけることが多い
メールでも、
この数年、使うことが多くなったLINEでも、
そんな会話が繰り返される
そう．．．
それは、乳がになるまでは、
何気なく展開された挨拶だった
が、がんになり、
数年もの間、
治療の副作用で体調が悪い状態が続くと、
「体調どう？」
「元気だった？」
との質問に、なんと答えていいものか．．．
「うーん、体調が悪くて．．．」とも言えない
「元気だよ」と言ってしまうのは、
明らかに“嘘”である
たとえばこれが、
同じがん経験者からの問いであれば、
「体調、あまり良くなくて．．．」
と、正直に言えるのかもしれない
が、
がんを知らない人には、本音は言えない
そんな私も、
今でもそのような質問には、答えに窮する
手術が終われば、
治療で外見が変わらない限り、
「もう治ったんでしょ？」
そう思われるし、
言われたこともある
治療が長くかかることも、
再発の不安が20年続くことも、
乳がんを経験しなければわからないのだ
何気なく使ってきた、「元気だった？」
病気をした人とそうでない人の隔たりを、
大きく感じる言葉である――
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Source: りかこの乳がん体験記
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