拝啓 玉川徹様 報道の使命忘れた「煽り発言」に思う 白岩賢太・大阪正論室次長
拝啓 玉川徹様
いつもテレビ朝日系情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』を楽しく拝見しております。
番組コメンテーターとして、その舌鋒(ぜっぽう)鋭い発言にイチ視聴者の私もハラハラしてばかりですが、
ことコロナ禍の危機的状況を憂い、熱く語るお姿には鬼気迫るものを感じております。
とはいえ、あまたある発言の中には、いささか首をかしげたくなるようなことがあったのも事実です。
誠に僭越(せんえつ)ではありますが、ジャーナリストの端くれとして、この場を借りて少し苦言を呈したいと思います。まずは仕事始めの4日に放送されたコロナ特集での発言です。番組では、1都3県の緊急事態宣言の発出要請を取り上げていましたが、玉川さんは感染拡大が止まらない状況を踏まえ、「僕は前から言っているように一度、ゼロに持っていった方がいいんじゃないか」と訴えておられましたね。
持論であるPCR検査の拡充にも触れつつ、「ウィズコロナではなく、コロナの根絶が重要」と説き、
「ゼロを目指せば経済はいずれ回復する」と、中国を引き合いに強調していました。玉川さんはよく番組の中で、台湾やニュージーランドと並んで、中国のコロナ対策が成功したかのようにおっしゃっていますが本気でそう思っておられるのか、不思議でならないことがあります。
かの国はつい先日も、新型コロナの発生源を調べる世界保健機関(WHO)の調査団の入国を拒否していましたよね。
その不誠実な態度のみならず、一連のコロナ対応をみていれば、そもそも当局発表の情報が信用に値するのか、
むしろ疑いの目を向ける方が、ジャーナリストとして常識的な感覚だと思うのですが、いかがお考えでしょうか?そういえば、昨年末の放送でも、「感染症は煽(あお)っていると言われるくらいがいい」と発言していましたが、ただでさえ不安が広がる中で、いたずらに危機を煽り続ければ、どんな弊害をもたらすのか。そんな想像をなさったことはありませんか。
他人の言に耳を傾けようとせず、ひたすら自分の正義を振りかざし、世を惑わす。少なくとも私には、数々の「煽り発言」がジャーナリストの使命を忘れた無責任な言動に思えてなりません。
ともあれ正月早々、手厳しい言葉を連ねた非礼をお許しください。もしコロナが終息しましたら、
ぜひ一度お会いしてジャーナリズムなどについて議論できれば幸甚です。これからも玉川さんのご発言を楽しみにしております。2021.1.14 08:00 産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/210114/wst2101140005-n1.html
Source: 身体軸ラボ シーズン2
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