希望の年へ

内科医

    コロナ一色となった昨年は,大方の予想通り年末には第3波に突入してしまいました.
    その中でもスタッフ一同,忘年会などの慰労の場も犠牲にして可能な限りの感染対策をし,ひとりの感染者も出さずに過ごせたのは幸いでしたが,この緊張感はまだまだ当分続きそうです.

    そんな中,我が家にとって最良の出来事は,なんといっても孫の誕生でした.
    今年の年末年始は海外旅行など論外だったのは言うまでもありませんが,次女夫婦が孫を連れて帰省,今回は帰省できなかった長女夫婦もあわせて全員でZoomを使って楽しいリモート新年会を行いました.

    阪神大震災,そして東日本大震災のときに希望の星として生を受けた子供たちが大きく成長した姿がよく話題になりますが,まさに我が孫もコロナ禍の中の希望の星であり,この子が大きくなった時,どんな世の中になっているだろうか?,そしてどんな思いで今の時代を振り返るのだろうか?と考えると万感の思いです. 

    ただ,年末には母が転倒して骨盤骨折を起こし,まさかのこんな時期に緊急入院となってしまいました.
 幸いオペは必要とせず保存的治療とリハビリで治療,退院も間近ですが,5歳年上で既に卒寿を超えた父が慣れない家事や炊事をいきなりひとりで行う羽目になりました.
    配食弁当を利用したり私や弟夫婦が時々訪問しているものの,何よりもインターネットは未経験,スマホも持っていないため,ネットでの買い物や注文はおろか,コロナ禍で面会が難しい母とテレビ電話で話すことも出来ず,フラストレーションが溜まっているようで,少し心配です.

    なお母は2年ほど前に思い切ってスマホデビューし,最初は慣れず大変でしたが今ではすっかりLINEを使いこなしており,この入院中も孫たちから励ましのメールやひ孫の写真や動画を送ってもらい癒しになっている,あの時無理してでもスマホに換えてよかったとのこと,我々も安堵しています.

    さて,世界の感染者の総数は一億人を窺う勢いで,欧米に比べて桁違いに少ないとはいえ毎日五千人以上の感染者を出すようになった我が国もすでに総数30万人を超えてしまいました. 神戸市も例外ではなく,当院も発熱の主訴での問い合わせやPCR適応の患者さんも著明に増えており,全く気が抜けません.

    中国武漢に端を発した感染の始まりから約1年が経過し,ウィルスに対する多くの知見が重ねられたとはいえ,感染対策を強化すれば経済が落ち込み,経済を重視すれば感染が拡がるというジレンマの中で,両者のバランスをとるべく未だに試行錯誤を繰り替えしているのはどの国も同じようです.

    その中でも欧米など一部の国では待望のワクチン接種が始まり,日本も遅まきながら2月末から始まる予定です. 

    イスラエルは国家戦略によりワクチン接種が驚くべきスピードで進んでおり,既に国民の20%が1回目の接種を済ませた時点で感 染者数が30%も減ったとのことですから,やはりその効果は明らかです.
    ただ国民が集団免疫を得るには国民全体の半数以上が抗体を持つ必要があるといわれますので,たび重なるコロナ対応のまずさですっかり国民からの信頼が失墜してしまい内閣支持率も急落してしまった日本政府にも,何とかその信頼を挽回すべく,1日でも早く1人でも多くの多くの国民にワクチン接種が行き渡るよう,今度こそは迅速果敢に対応していただきたいと思います.


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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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