おはようございます。
最近、読者の方からバランスファンドについてご質問をいただくことが増えました。
私自身は、バランスファンドは自分好みの資産配分の商品が見当たらず、実際には活用していません。
しかし、リバランスが全く不要であることや、以前と比べるとバランスファンドの低コスト化が驚異的な勢いで進んでいることから一考の余地はあると思います。
本日は、バランスファンドの本命であるeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)について分析してみます。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はバランスファンドの本命
バランスファンドを選択する時のポイントは資産配分とコスト
さて、バランスファンドを選ぶ時に最も重要な基準は何でしょうか。
私は、
1) 資産配分
2) コスト
3) ファンド純資産総額
の3つこそが重要だと考えています。
同じ資産配分のバランスファンドならば、その中でできるだけの低コストの商品を選択すべきです。
コストが同等であれば、より売れ筋の商品、つまりファンドの純資産総額が順調に伸びている銘柄を選ぶべきでしょう。
バランスファンド一本でポートフォリオを組む時に、最も重要なのは資産配分であることは言うまでもありません。
インデックス投資においては、アセットアロケーションの組み方によって将来のリスク・リターンの大半が決定するわけですから当然のことですね。
8資産均等型のバランスファンドとは?
8資産均等型とは、以下の8つのアセットクラスに12.5%ずつ分散投資をすることを指します。
1) 日本株式:12.5%
2) 先進国株式:12.5%
3) 新興国株式:12.5%
4) 日本債券:12.5%
5) 先進国債券:12.5%
6) 新興国債券:12.5%
7) 日本REIT:12.5%
8) 先進国REIT:12.5%
株式:債券:REITというくくりで見てみますと、37.5%:37.5%:25.0%となりますね。
その他に、
・REITを含まず、上の1)〜6)に1/6ずつ投資する6資産均等型
・さらに新興国を含まず、上の1)、2)、4)、5)に25%ずつ投資する4資産均等型
もあるのですが、絶望的なまでに売れていないのが現状です。
最も人気があるのが8資産均等型であり、その中でコスト面、純資産総額で圧倒的な優位性を持つのがeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)だということですね。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の信託報酬と純資産総額は?
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)ですが、
・信託報酬:0.17172%
・純資産総額:約160億円
という素晴らしい低コストを実現しています。
各商品を個別に購入するよりも信託報酬が低いわけですから、まさに驚異的と言えますね。
時価総額加重平均からみると日本株式と新興国株式がオーバーウェイト
次に資産配分について見ていきます。
世界の株式市場を時価総額加重平均で見てみますと、
日本:先進国(除く日本):新興国=8%:82%:10%
となります。
一方、eMAXIS Slimバランスの株式部分は日本と先進国と新興国に均等配分ですから、先進国(除く日本)がアンダーウェイト、日本と新興国がオーバーウェイト気味になりますね。
このあたりは好みが分かれるところです。
新興国債券12.5%の是非について
一部の新興国通貨の利回りは異常に高く、一見魅力的にうつりますが、強烈なインフレに対抗するために金利を高くせざるを得ないケースも多いです。
本来ならばディフェンシブな役割を担うはずの債券ですが、少なくとも新興国債券に関してはリスク資産の1つと考えたほうがよいでしょう。
先進国債券に関しては、為替の変動を考えますと、円建てでは安全資産とは言えません。
例えば、米国総合債券ETFであるBNDやAGGに関しては、リーマンショック時に10%弱の下落がありました。
ドル建てで見れば10%弱の下落で終わりですが、同時に円高が20%進めば、円建てでは25%程度の損失が発生する可能性があります。
そうなりますと、日本人にとって真の安全資産は国内債券のみと言えるでしょう。
REITは市場規模から見るとオーバーウェイト
全世界の株式時価総額は約80兆ドルと言われています。
一方で、世界のREIT市場の時価総額は約1兆ドル強です。
REIT市場の時価総額は株式市場と比べると2%弱に過ぎず、市場規模がはるかに小さいことが分かります。
そう考えますと、REITに25.0%を配分するというのはオーバーウェイトですね。
REITオーバーウェイトの良し悪しは各個人の考え次第ですが、私自身はあまり好みではなく、オーソドックスに株式中心のポートフォリオが望ましいと考えています。
まとめ
8資産均等型の資産配分がしっくりくるならば、コスト、売れ行きから見てeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は有力な選択肢になります。
こんな記事も書いています。
リバランスが困難なNISA口座において、バランスファンドは有力な選択肢の一つになります。
BNDやAGGは大変優れた米国総合債券ETFですが、円高の進行によって円建てでは思わぬダメージを負う可能性があることは知っておくべきです。
バランスファンドのもう一つの最適解が楽天・インデックス・バランス・ファンドです。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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