術後の不自由さ。

  術式:乳房扇状部分切除(4分の1強切除)
     腋窩リンパ節郭清

乳房を切除することも大変だが、
なによりリンパ節郭清がきつい

それは、痛み

そして、一生続く後遺症――

私の場合...

  ※治療の副作用同様、
   痛みや状態は人それぞれである

わきの下、左腕の二の腕(肘まで)、
乳房、左の肩甲骨周辺の皮膚の感覚が失われた

伸びもできない

洋服を着るのは一苦労

ゆっくりと寝返りを打てるようになったのは、
術後1か月以上経ってから

不思議だったのは、
左腕の皮膚の感覚がないのに、
ビリビリとした痛みは強く感じられたことだ

それは休みなく、四六時中痛んだ

痛みを感じなかったのは、
熟睡しているときだけ

1月の厳寒期に手術をし、
退院したのは2週間後

少し厚めのダウンが流行っていた時代だった

外出時には私も
もこもこのダウンを着ていた

が、そのもこもこのダウンの上から
左腕に軽く何かが触れただけで、
痺れや痛みが腕全体に走る状態だった

  そもそも、洋服を着ているだけで...
  袖が腕に触れているだけで痛いのだ

当時、痺れと痛みのせいで、
1か月以上寒気が止まらなかった

唯一、楽しみだったのは、毎晩のお風呂

温かい湯船に浸かっているときだけが
寒気から逃れられる時間だった――

...と、
毎年、退院したこの時期になると、

「そんなこともあったなぁ...」

「あの頃は本当に痛くて、
 何もできなかったなぁ...」

「ずっと寒気に耐えていたなぁ...」

と、思い出す

その頃は、どうなるかと不安しかなかったが、
人間、しっかり回復するものである――

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Source: りかこの乳がん体験記

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