神の詩 第二章第十八~二十一節 2

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神の詩 第二章第十八~二十一節

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「この肉体は有限であると言われるが、ここに宿る者(アートマン)は永遠・不滅で無限である。だから戦え、アルジュナよ。(十八)」
「アートマン(真我)を殺害者と考える者も、殺されると考える者も、どちらも無智で
ある。アートマンは殺すことも殺されることもない。(一九)」
「アートマンは生まれることも、死ぬこともない。始まりも、終わりもない。不生・永
遠・不変であり、太古から存在する。肉体が殺されても、アートマンは殺されない。
(二十)」
「アルジュナよ、アートマンは不滅・永遠・不生・不変であると知る者は、誰かを殺し
たり、誰かに殺されたりすることができようか。(二十一)」

続きです。

皆が着席すると、
これからクリシュナが発する言葉をしっかりと聴くために、
静まり返りました。

クリシュナは、
ドリタラーシュトラ王の方を向いて、
語り始めました。

「私は、
カウラヴァ兄弟とパーンダヴァ兄弟たちには、
平和であることを望みます。

両兄弟は、
永遠に友好関係であり続けて、
この世界に平和と繁栄を実現しなければなりません。
全世界が平和を希望しています。

そして今、
平和の実現こそが、
パーンダヴァ兄弟の求めているものです。

私は、
平和の実現のためにここに来ました。

ドリタラーシュトラ王は、
重大な決定をする前に、
よく考えてもらいたい。

パーンダヴァ兄弟は
幼いころに父を失い、
ドリタラーシュトラ王が養育されたのですから、
責任もって和平に努めるべきなのです。」

クリシュナは、
さらに
ドリタラーシュトラ王に近づいて話を続けます。

「王よ、
あなたはパーンダヴァ兄弟を、
自分の子供のように養育されました。

その子供たちを苦しませるのは正しくありません。

彼らが13年間の謹慎から帰ってきた時に、
再びかれらの王国を返還すると約束したのは、
あなたです。

そして、
彼らは王との約束をしっかりと守り、
帰ってきました。

ここに来る前に
長男ユディティシラから伝言を頼まれました。

まず一つは、
彼らパーンダヴァ兄弟が
何か自分たちの気が付かない間違いを犯してこのような事態になったのであれば、
どうか赦していただきたいということ。

もう一つは、
パーンダヴァ兄弟が求めているのは、
王の愛だけだ
ということです。

兄弟たちは、
返還されるかどうかわからない土地よりも、
王のからの愛の方がはるかに大切です、
と伝えてほしいと言っていました。

王よ、
あなたの実の息子たちが企てていることは、
この国全体を流血と混乱の中に陥れるでしょう。

罪のない女性や子供まで巻き添えになります。

森の中にいるバラモンにまで
影響は及ぶでしょう。

戦火はすべての人に及びます。
戦争すべきではありません。」

このクリシュナの話から、
クリシュナもパーンダヴァ兄弟も
戦争を全く望んでいないことや
土地などよりももっと大切なものは愛であること
など、
兄弟の霊性の高さと純粋さがよくわかります。

ユディティシラは、
このような事態に陥ったのは、
自分たちの落ち度があったからではないかと述べています。

この姿勢は、
禅語の
「無事これ貴人なり」
を思い出します。

この禅語には、
今の事態について、
自分の外側の世界や他人に原因や責任を求めるのではなく、
自分自身の中にそれを見出していく姿勢が
貴い人へと導いていく
という意味があります。

集会に列席した王たちは皆、
クリシュナとパーンダヴァ兄弟たちの高貴な思いに感動しました。

そして
参加者たちは、
敵だと思っていたパーンダヴァ兄弟に好感を持つようになっていました。

それでも、
目の前のカウラヴァ兄弟の宣戦布告に
異議を唱える勇気のある王は、
誰もいませんでした。

さらに
クリシュナは、
和平交渉の他に、
パーンダヴァ兄弟のためのさまざまな提案を
ドリタラーシュトラ王に語りました。

ドリタラーシュトラ王も、
実は、
パーンダヴァ兄弟が正しいこと、
自分の実の息子であるカウラヴァ兄弟が悪しき行動に出ていること、
それによって
国が大きな混乱に陥るであろうことも
知っていました。

でも、
ドリタラーシュトラ王は、
実の息子たちの邪悪な力に抵抗できず、
屈するしかありませんでした。

「善を為すべきと知りながら善を為さない者にとって、それは悪である。悪であると知らずに悪を為す者は、むしろ容赦されるかも知れない。しかし、悪であると知りながら悪を為す者には、それは破滅の呪いとなる。」エドガー・ケイシー845-1

続きます。

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Source: ひかたま(光の魂たち)

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