おはようございます。
楽天VTIの配当金に対する課税方式と課税繰り延べ効果について、当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
楽天VTIの課税繰り延べ効果について
いつも楽しくブログを読ませていただいております。
いきなり本題なのですが、楽天VTI(や他の投資信託)で配当金が投資家に分配されずにファンド内で再投資される際に、その再投資分は元々の配当金から税引きされた後の額なのか、何らかの仕組みで税引きされずに再投資されているのかを知りたく質問させていただきました。
あるブログによると楽天に問い合わせたところ「税引き後の金額を再投資している」と回答があったらしく、それが事実であれば税の繰り延べ効果はない(自分で再投資しても同じ)ことにはならないでしょうか。
当方投資初心者ですので何か根本的に勘違いしているところもあるかも知れませんが、それも含めてご教授いただけると幸いです。
ご質問ありがとうございます。
今回のご質問はシンプルなので、結論から書きます。
1) 楽天VTIが「無分配型」のファンドであれば、国内で分配金を支払う時の20.315%の税金を繰り延べし、より効率的な運用が可能(な可能性が高い)
2) 「無分配」か否かは公式には発表されていないため、最新の状況を楽天証券に問い合わせるのが確実
となります。
要するに、運用会社の方針によるわけで我々にはコントロール不可能なことです。
交付目論見書にも詳細が記載されていないことが多く、ブラックボックスになっています。
VTIの配当金の二重課税と楽天VTIの課税繰り延べ効果について
楽天VTIの仕組みと配当金に課税される2つのポイント
楽天VTIの仕組みは以下のようになっています。
本家VTIを間接的に買い付けるのが目的ですが、この中で配当金に課税されうるポイントが2点あります。
一回目は米国政府による外国での源泉徴収課税で、これが10%です。
次に、下の図の一番左側になりますが、楽天VTIから投資者に分配金を支払う場合に日本国内で2度目の源泉徴収課税があり、これが20.315%です。
確定申告で外国税額控除の申請をすれば、米国での源泉徴収課税10%のうちの何割かは取り戻せますが、全額ではありません。
「分配金を出さない」、つまり無分配型のファンドであれば、国内での分配金の支払い自体が行われず、そのまま再投資されて基準価格の上昇につながります。
運用会社(楽天バンガード)の判断で収益を分配せずにファンド内に留保することが可能ですが、運用会社がこのお金を全て再投資に活用しているという善意に基づく判断にはなります。
この前提が成立すれば、無分配型の投資信託であれば、国内の配当金に対する20.315%の課税を繰り延べ効率的に運用することが可能です。
となりますと、楽天VTIが無分配型のファンドかどうか、そして内部の留保金を速やかに再投資に活用しているかが重要になりますが、公式には発表されていないと思います。
楽天バンガードシリーズは「極力分配金は出さない方針」
私自身は楽天証券にわざわざ確認したことはありませんが、代わりにたわら男爵さんの以下の記事を見つけました。
たわら男爵さんは楽天バンガードシリーズが無分配型のファンドであるかどうかを楽天証券に問い合わせていただいたようです。
それによりますと、
「今後については約束できないが、現時点では、楽天バンガードシリーズは極力分配金を出さない方針で運用している」
とのことでした。
「極力」という言葉がどこまで正確かは分かりませんが、この言葉が真実ならば無分配型投信ですので税の繰り延べ効果が得られることになりますね。
最終的には楽天証券に最新の状況を聞いてみるしかありません
この問題の解決は、楽天VTIが分配金を出す方針か否か、出さない場合は留保金を速やかに再投資に活用しているかに全てがかかっていますので、今現在の状況を知りたければ楽天証券に再度問い合わせるしかありません。
なお、もし分配金を支払う方針であれば、楽天VTIは国内・国外での二重課税を受けるうえに、外国税額控除で取り戻すことができず、信託報酬もVTIと比べて割高(0.04% vs. 0.1696%)となってしまいます。
要するに、楽天VTIは無分配型であるからこそ投資価値が増すとも言えますので、ご質問者様のおっしゃる通り大変重要なポイントかと思います。
もしお問い合わせいただきましたら、私にも教えていただけましたら幸いです。
投資信託はこのようなブラックボックスがまだまだ大きく、海外の主要ETFと比べると透明性が低いですね。
一般の方はここまで細かいことを気にしないのでしょうが、長期に保有し続けることを考えますと投資界隈の住人ならば気になってしまう気持ちはよく分かります。
まとめ
楽天VTIの課税繰り延べ効果があるかどうかは、楽天VTIが無分配型ファンドであるか否か、また留保金を速やかに再投資に活用しているかによると思います。
【楽天証券のiDeCo】
楽天証券のiDeCoは楽天バンガードシリーズが購入できるのが最大の強みですね。
こんな記事も書いています。
極論にはなりますが、投資信託は楽天バンガードとeMAXIS Slimシリーズから選べば十分だと思います。
楽天VTIとほぼ同レベルで推奨できるのがeMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。
楽天VTIの実質コストは0.311%と割高でしたが、今後運用が安定すれば0.2%台にはなるでしょう。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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