以前、「保育園に通うと喘息になりやすいか」について書きました。
保育園に通っても、喘息は増えないと私は書きました。
では、保育園に通うと風邪はひきやすくなるでしょうか。
今回は、保育園と風邪の関係について書きます。
保育園に通うと、風邪をどれくらいひくか?
エビデンスがどうこう言う前に、保育園に通い出すと子どもが風邪をよくひくと感じられるパパママは多いと思います。
そういう直感は当たるものです。
ですが、あえてしっかり論文を探してみましょう。
保育園と風邪の関係について、論文を2つ紹介します。
フィンランドの子ども(1歳から7歳)2568人の呼吸器感染症と保育形態とを評価しました。
保育園に通っている子どもでは、通っていない子どもに比べて、風邪を1.69倍、中耳炎を1.99倍、肺炎を9.69倍増加しました。
このリスクは1歳児に集中していました。
保育園は2歳未満の子どもの呼吸器感染症のリスクとなるようです。
続いて、2つ目はこちら。
Nesti MM, et al. Infectious diseases and daycare and preschool education. J Pediatr (Rio J). 2007; 83: 299-312.
MEDLINE、LILACS、Cochrane Libraryのデータベースを使って、保育園の感染症リスクを評価しました。
保育園や幼稚園に通っている子どもは、感染症にかかるリスクが2-3倍高いものでした。
2つの論文をまとめると、「保育園に通うと、風邪は2倍ひきやすくなる」と考えるとよさそうです。
そもそも、子どもはどれくらい風邪をひく?
子どもって1年に何回くらい風邪をひいていると思いますか?
2回でしょうか? 3回でしょうか?
実は、もっと多いです。
乳幼児は1年に平均6-8回ウイルス性上気道炎を罹患する。
吉原重美, 他・監. 小児の咳嗽診療ガイドライン2020. 診断と治療社. 2020: p108-109.
意外に多いと思うのではないでしょうか。
さらに、保育園に通うと2倍になるとすると、年に12-16回くらい風邪をひきます。
これでは、毎月風邪をひいているように感じるでしょう。
「保育園に通っていると、月1で風邪をひきますしね」
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おそらくエビデンスがあっての発言ではないのでしょうが、上記のセリフは的を射ていると思いました。
いつまで毎月のように風邪をひくのか
子どもが保育園に通い出した途端、毎月のように風邪をひきだして、落胆されるパパママもいると思います。
保育園に行ったと思ったら、お昼ごろに「お熱が出てますので、お迎えに来てください」という連絡が頻繁にあると、なかなか大変です。
このような状況は、ずっと続くのでしょうか?
ちょっとだけ、安心できる情報があります。
それが、こちらの論文です。
Schuez-Havupalo L, et al. Daycare attendance and respiratory tract infections: a prospective birth cohort study. BMJ Open. 2017; 7: e014635.
保育園に通い出して9か月もすれば、風邪をひく頻度が落ち着いてきます。
これは、最初の論文の「リスクは1歳児に集中していた」という結果とも合致します。
まとめ
保育園に通うと、風邪の頻度は2倍になり、毎月のように風邪をひくようになります。
ですが、保育園に通い出して9か月もすれば、その頻度は落ち着いてきます。
Source: 笑顔が好き。
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