おはようございます。
当ブログの同業の先生から、資産形成の方針に関して以下のご質問をいただきました。
ちゅり男先生 様
突然のお問い合わせ、大変失礼申し上げます。
感染症を専門にしている30代の内科医(勤務医)です。
一昨年より先輩からFPを紹介され、資産形成を意識するようになりました。
投資は怖いものと親より教えられてきたため、それまで貯金しかしてきませんでした。
現在、大変悔しい思いをしているところです。
我流で個別銘柄の日本株への投資をしてきましたが、なかなか増えません。
600万円を元手に投資をはじめ、はじめの1年間で120万ほど利益を出しましたが、昨年末にマイナス140万円となり、現在20万円ほどの含み損です。
今後の投資方法について調べていたところ、ちゅり男様のブログにたどり着きました。
すべての項目を読ませていただきましたが、とても参考になる記事ばかりでした。
このような貴重なブログを書いていただき、本当にありがとうございます。
大変厚かましいお願いで恐縮ですが、私の投資戦略のアドバイスを是非、いただきたいと思い、勝手ながらお問い合わせをさせていただきました。
もし、ご迷惑がかからないということでしたら、アドバイスをいただければ幸いに存じます。
家族構成;私38歳 妻32歳 娘2歳 息子0歳
幼稚園から私立に通勤させる予定で、希望されれば医学部への入学も考えております
資産:居住中の戸建て7100万円(5500万円のローンを35年で返済予定)
以前居住していたマンション3680万円(残債なし 13万円/月で賃貸)
投資用中古マンション2240万円
投資用中古マンション1900万円
投資用新築マンション3060万円
(この4物件で、大体10万円/月の利益が出ています)
日本株式490万円
つみたてNISA42万円
iDeco37万円
現金約500万円
他、貯蓄型の保険(学資保険+1万米ドル養老保険+生命保険=13万円/月)にも入っております。
収支状況; 収入は約2300万円/年 支出は約700万円/年
約600-700万円/年は貯蓄できています。
iDecoとつみたてNISAは満額かけたので、今後、貯蓄した現金をどのように投資するかを考えております。
私は投資初心者ですので、ちゅり男様のブログを読んだ結果、楽天VTもしくはSBIで米ドルを購入+VTを積み立てていくのが良いのかなと思いました。
今までSBIを利用していましたが、早速楽天口座を作り、今後は楽天VTを20-30万円/月積み立てていこうかと思っております。
私の状況で、ちゅり男様ならどのように投資をされるか知りたいとおもいました。
ご迷惑がかからない範囲内で教えていただけるとありがたいです。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
また、ちゅり男様がお書きになった通りにiDecoとつみたてNISAを変更したところ、今のところ、プラスになっております。
心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
今後もブログを楽しく読ませていただき、応援させていただきます!!
ご質問ありがとうございます。
年収が2,300万円と大きいのは資産形成を考えるうえで大変有利ですね。
こういうケースでは、一気に大きく儲けようとする必要がありませんから、あまり変なことをせずにシンプルにキャッシュと株式ETFを積み上げた方がうまくいく気がします。
以下、詳細を見ていきます。
月20〜30万円の投資なら楽天VTか本家VTのどちらを購入すべきか?
ポートフォリオが不動産に偏っています
ひと目見て最も気になるのは、マイホームも含めてポートフォリオが不動産に偏りすぎていることですね。
4物件で10万/月の利益というのは背負っているリスクと比して利益が少なすぎる気がします。
空き室リスクや家賃下落のリスクが少ない優良物件ならばよいですが、 そうでなければ将来的に赤字に転落する可能性もあります。
物件の詳細スペックがわからないのでなんとも言えないところですが、投資スケールに比して純利益が少なすぎます。
不動産投資に関しては慎重に、よほどのチャンス局面でなければ今以上の新規投資は避けるべきでしょう。
なお、今現在の住宅ローンに関しては、金利が十分に低い水準であればあえて繰り上げ返済せずに長期に低金利の恩恵に預かるのも選択肢の一つではあります。
保険の見直しも検討しましょう
保険についても詳細が不明なので細かな点は申し上げられませんが、何にせよ月の保険料が13万円というのはかけすぎですね。
私自身が保険は「掛け捨て・最小限」派なのもあると思いますが、我が家の毎月の保険料は全部合わせても1万円くらいです。
保険は基本的に保険会社が利益をあげられるように設計されている商品が大多数ですので、購入者側に旨味のある商品というのは限られます。
また、保険は契約が大変複雑であり、基本的に資金が拘束されますので、最小限にしておいた方がより臨機応変にキャッシュを動かすことができます。
金融商品への投資チャンスというのは刻一刻と変化しますので、とにかく手元資金の流動性を最大限に保つことが大変重要です。
ましてやご質問者様の場合、年収が2,300万円もあるわけですから、月13万円もかけて不測の事態に備える必要はないでしょう。
保険は、「起こる確率は非常に低いが、万が一起きた場合に自分の力で対処不可能な物事」だけにかけるという原則を忘れないようにしたいものです。
株式投資に関しては海外ETFを直接買い付けます
株式投資に関しては、SBI証券で海外ETFを直接買い付けた方がよいでしょう。
VTと楽天VTは基本的には同一の商品ですが、楽天VTには十分な運用実績がなく、20年後にどうなっているか全く分かりません。
月20〜30万円の規模であれば手数料面も問題ありませんので、VTの直接買い付けの方が絶対によいです。
収入が2,300万円/年あるということですので、不動産投資をこれ以上拡大させて危ない橋を渡る必要はないと思います。
というのは、不動産の場合はレバレッジをかけた取引になりますので、一度の失敗が大ダメージになりやすいからです。
よって、毎年600〜700万円の貯蓄が可能であれば、シンプルにそれを株式ETFの買い付けに回して配当金を得た方が勝率が高いと思います。
まとめ
ポートフォリオが不動産に傾きすぎていることと、毎月の保険料が高額すぎることが最大の問題点と考えます。
株式投資に関しては、毎年600〜700万円の貯蓄が可能であれば海外ETFを積み上げるだけで十分です。
楽天VTではなく本家VTを直接買い付けるべきでしょう。
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こんな記事も書いています。
保険で月13万円の資金を拘束されるくらいならば、ジュニアNISAを活用した方が良い気がします。
VT積立の方法に関しては以下の記事を参考にしていただければ幸いです。
タネ銭が大きければ大きいほど、投資はシンプルでOKです。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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