最近の若い者は…なんて言われるが、仕事柄、迷惑な高齢者に出くわすことは多い。
彼らに対しては強い陰性感情を抱いているが、なぜそんな高齢者は多いのだろうか。
その理由について書かれた本を読んだので紹介したい。
迷惑な高齢者問題
勝間和代氏の著書「ロジカル不老長寿」によると、定年後やることがなくなってヒマな高齢者は多いのだという。
定年後の生活を暮らす方の多くが、本当にやることがない。つまり暇なのです。
そして漫然と時間を過ごしているうちに、つまらない人間になっていく。
ゴルフ、美食、旅行くらいしかやることがなくて、漫然と時間を過ごしている。
そして勉強意欲が衰え、つまらない人間になっていく。
さらに暇を持て余して、横暴で自分勝手なことを言ったり、やったりする。
暇で時間があるのでよくやってきては、横暴で自分勝手なことを言ったり、やったりする。
となると、これは他人ごとではない。
熱中できること、好きなことをもっていなければ、自分も迷惑な高齢者になってしまうということである。
そうならないためのキーワードが「フロー状態」なんじゃないかと思う。
フロー状態とは?
「フロー状態」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
「過集中」、「ゾーン」と呼ばれることもある。
この概念は心理学者のミハイ・チクセントミハイ教授が提唱したもの。
フロー状態のとき、人間はパフォーマンスを最も発揮することができる。
彼は一流のアスリートが完全に集中して没入したときにフロー状態に入っていると主張する。
そしてこれは一流の人間に限った話ではない。
仕事や遊びに熱中して、時間を忘れて没入してしまう。気がついたら5、6時間たっていた。
これもフロー状態である。
幸福なフロー状態
精神科医・樺沢紫苑先生の著書「精神科医が見つけた3つの幸福」によると、フローの状態ではドーパミンやオキシトシンなどの脳内物質が分泌されているそうだ。
つまりフロー状態に入っているときは、とても楽しくて気持ちいい。
チクセントミハイ教授は「フロー体験こそが幸福である」と言い切っているそうだ。
没入できる時間を持つことが幸福。
それは人によっては仕事への没入であり、人によっては遊びへの没入である。
つまり仕事でも遊びでも、何かすごく面白いものを見つけてひたすら没入できれば、私たちは幸せになれるのである。
自分は「情熱大陸」をよく見るのだが、好きなことに没入できている人たちの人生は、やはり楽しそうである。
アリ探究家の島田拓さんとか、フライフィッシャーの渋谷直人さんとか。
しかし自分が没入できることが何なのか、これまで深く考えてこなかった気がする。
今思えば子供のときはいろいろなことに没入していたが、大人になるにつれて没入できることは少なくなっていく。
実際、何をしているときが楽しいかを聞かれても答えられない人は多いそうだ。
驚くことに「何をしているときが楽しいですか?」と質問されると、「わかりません」と答える人が多いのです。
これは結構重大な問題である。
没入できることを見つけよう
自分が没入できることについて色々考えてみると、大きなヒントになったのは京大卒のニートphoさんの著書「ニートの歩き方」。
京大卒のニートという異色の経歴を持つPha氏。
彼の著書「ニートの歩き方」を興味本位で読んでみた。
どんな変わり者なんだろうか、と。
しかし本を読み進めていくと…
集団行動が苦手で協調…
この本の中でニートに向いているタイプの人が紹介されている。
他人と一緒に共同作業をしたり、街に出て飲み会をするのが好きだったりする人はニートに向いていない。
また地位財や海外旅行などが好きで、お金がないと楽しく過ごせない人もニートに向いていない。
一方ニート向きなのは、一人でもくもくとブログを書いたりサイトを作ったりするが好きな人。
これを読んでピンときた。
自分が没入できるのはモノを作ること。
研究はやめてしまったが、ミーティングのスライドや論文を作るのは嫌いではなかった。
また、なぜブログを続けることができるのか。それは純粋に楽しいからである。
一人でもくもくとブログを書いたりサイトを作ったりする作業には、時間を忘れて没頭できる。
これらは間違いなくフロー状態である。
まとめ
迷惑な高齢者にならないためのヒントはフロー状態である。
自分がフロー状態になれることを見つければ、周りに迷惑をかけずに幸せに生きていくことができるはず。
正直、接客の仕事は好きじゃない。
自分の本当の幸せは、余暇に一人でもくもくとコンテンツを作って生きていくことなのかもしれない。
だが「好きを仕事に」という言葉を最近よく耳にする。
でもそんな生き方は本当にできるのか。
次回はそのことについて考えてみたい。
Source: 皮膚科医の日常と趣味とキャリア
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