――今回はインフルエンザの重症化についてお話を伺おうと思いますが、以前の記事「インフル、検査陰性でも油断禁物 症状あればマスクを」でもおっしゃっていたように、インフルエンザの感染者数は年間約1000万人、インフルエンザに関連する死亡者数は年間約1万人と推計されているそうですね。「1万人」とはかなりの数で驚きます。
インフルエンザは毎年多くの人がかかる身近な感染症で、そのほとんどは重症化することなく治ります。しかし、時には重症化したり、合併症を起こしたりして、死亡に至る場合もあります。そこまで至るケースはまれだけれど、インフルエンザにかかる人自体が多いので、結果的に大きな数字になるんです。
ちなみに、インフルエンザの流行によって直接的、間接的に死亡した人の数の推計値として世界保健機関(WHO)が推奨する「超過死亡」という概念があり、年間約1万人というのはこの概念に基づく推計。簡単にいえば、インフルエンザの流行がなければ死を回避できたであろう死亡者数を意味します。インフルエンザが直接的に引き起こす脳症や肺炎のほか、二次的に起こる細菌性の肺炎、また、呼吸器疾患や心疾患といった持病の悪化など、間接的な影響によって死亡した人の数も含まれます。
――インフルエンザによって引き起こされる病気、つまりインフルエンザの合併症にはどのようなものがありますか。
インフルエンザ脳症、インフルエンザ肺炎、インフルエンザ後に発症する細菌性肺炎が代表的なものです。ほかに、副鼻腔炎、中耳炎、筋炎、心筋炎、肝障害、腎障害なども見られます。ごくまれですが、手足の筋力が低下し、重症化すると呼吸不全に陥るギラン・バレー症候群を発症する場合もあります。――インフルエンザに伴う発熱に解熱剤を用いると、種類によってはインフルエンザ脳症のリスクが高まるという話を聞いたことがあるのですが。
非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクなど)は、そのほかの薬剤に比べると、インフルエンザ脳症のリスクが多少高まるという報告があります。そのため、医療機関では、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンを中心に処方しています。インフルエンザで高熱が出たからといって、手持ちの解熱剤を自己判断で飲むのは危険なのでやめましょう。
――インフルエンザ肺炎と、インフルエンザ後に発症する細菌性肺炎は違うものなのでしょうか。
インフルエンザ肺炎は、インフルエンザウイルスが直接的に引き起こす肺炎です。一方、インフルエンザ後に発症する細菌性の肺炎は、インフルエンザによって気道や体の免疫が低下することで、細菌によって引き起こされる肺炎です。いずれも高齢者に多く見られます。特に細菌性肺炎は、高齢者がインフルエンザ後に死亡する大きな原因となっています。
細菌性肺炎の最も多い原因菌は、一般的な肺炎でもよく見られる肺炎球菌ですが、黄色ブドウ球菌が原因となることもあります。黄色ブドウ球菌は皮膚などに存在する常在菌で、通常は肺炎を起こしにくいはずなのですが、インフルエンザの発症後は、それだけ免疫が低下しているということでしょう。
ワクチン打って抗体を作る過程は、感染症と同じです。
つまり免疫は低下しているんです。
ブーストすれば免疫は下がり死に近づくということですね。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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