織物の神よりのメッセージ【“織る”ようにじっくりと】

「何か物事を成す（成功する・結実する）ためには、単に真っ直（す）ぐ進むのみではけして叶いません。

目指す先（目標・目的）へ向けて、必要なる要素を折よく兼ね合わせていかねばならぬのです。

これはあたかも、縦糸、横糸が緻密（ちみつ）に交わる “織り”のごとくです。

単に見える事象のみが大切なのではありません。

進むべき先へは、内実（＝実際には）様々な要素が兼ね合い、そして幾多の“支え”ありてこそということを、あなたがたはけして忘れてはなりません。

現に得ている（＝現実となっている）物事について、果たしてあなたがたは、どれほど、それらが成されたことの意義（貴重さ）を感じ取ることができるでしょうか？

今や、端的なまでの、物事の良し悪（あ）しばかりが、人々の心を捉（とら）えます。

そこに至るまでの（様々な要素が兼ね合う）織りの過程、そしてここから紡ぎ出される物語を感じる心の余裕はあまりに乏（とぼ）しいのではありませんか。

じっくりと時間を費やし、そして丁寧に織りなす物事こそが人間の“営み”でもあり、これはすなわち、先人たちが何よりも大切にした、生きていく術（すべ）なのです。

時代がどれほど経ようとも、この、ゆったりと織り合うべく、日常を丁寧に過ごしていただけたらとわたくし（織物の神）は願っております。

なぜなら、人間こそは、一つまた一つとその歩みをじっくりと進めてまいった、まさに“息の長い”生命なのですから。」