原因は何ですか?と聞きたくなる原因

診療中に聞かれることが多い質問の一つに「原因は何ですか?」がある。
しかしこれを聞かれると困ってしまう。
ほとんどの皮膚疾患が原因不明だからである。
湿疹すらも原因がはっきりするのは稀。
最も多いのは「原因がわからない湿疹反応」である。
要するに「他の分類に入らない、原因がわからない湿疹反応」なのです。困ったことに、外来ではこの状態で来院する小児が最も多いのです。
診療所で診る小児の皮膚疾患
進化心理学シリーズ第4弾。
今回は原因を知りたくなる原因について考えてみる。
原因を知りたい患者
ドクターショッピングする患者の中には「原因を知りたいから検査してほしい」という患者が一定数含まれている。
特にアレルギー外来には原因の特定を求める患者が集まっており、検査が陰性だと納得されない場合が多い。
さらに「原因を知りたい」と思うのは皮膚科患者に限ったことではない。
文筆家としても有名な精神科医の中井久夫先生は著書の中でこう述べられている。
たとえ正しくなくても人間は原因を知ると安心する。正しくない原因でも口づてに伝わってくると目に見えて落ち着く。
看護のための精神医学 第2版
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