【この記事は 第65回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加したしらねのぞるばの 手元メモを基にした感想です. 聞き間違い/見間違いによる不正確な点があるかもしれませんが,ご容赦願います】
前回記事では通常の2型糖尿病患者にイメグリミンを投与した場合の症例報告をとりあげました.
それと並んで ミトコンドリア糖尿病への投与症例も報告されていました.
ミトコンドリア糖尿病とは
ミトコンドリア糖尿病とは,遺伝子異常により発生する糖尿病です. ただし,いわゆる人体の遺伝情報を担う染色体DNAの異常ではなくて,細胞中のミトコンドリア自身が独自に持っているDNA(=ミトコンドリアDNA; mtDNA)の異常により発生します,
遺伝性の糖尿病というと MODY(Maturity Onset Diabetes of the Young)などがありますが,これは人体の遺伝情報そのものの異常なので,完全にメンデルの法則通りに遺伝します.
一方ミトコンドリア糖尿病は,ミトコンドリアの遺伝子異常(もっとも多いのはmtDNAの3243位がA→Gとなる変異)によるものですから,基本的には 母系遺伝です.ただし 上記のMODYほどには遺伝性が明確にならないこともあります.
なぜなら 人体の染色体DNAは,どの臓器細胞でもまったく同じですが,ミトコンドリアの場合には,
第65回日本糖尿病学会の感想[8] ミトコンドリア糖尿病にイメグリミン

コメント