進行がんに対する動注化学療法の問題点~カテーテル留置~

外科医

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みなさま、おはようございます
2代目ガンちゃん先生です

8月に入りました
今年は、
各地のお祭りも開催されそうですし、
旅行も、帰省も自由にできますので、
お盆明けからのコロナ感染の更なる爆発
が怖いです

今日のご紹介は、
岩本内科で行う
カテーテル癌治療の一つ
動注化学療法の問題点
について,
書きたいと思います

動注化学療法を行うために
まず必要なのが、
カテーテルを肝臓の動脈に留置すること
です

その手技を、カテーテル留置と言います

留置したカテーテルを使う事で、
いつでも気軽に
繰り返し、持続的に抗がん剤を
直接、癌に届ける事ができるようになります

動注化学療法を行う際の問題点の一つに、
カテーテル留置の難しさがあります

留置の仕方は様々ありますが、
慣れていないと2-4時間くらいかかる手技です

ちゃんと抗がん剤が癌に分布すること
肝臓以外の重要な臓器に抗がん剤が流れないこと
これら二つの要素がとても重要です

私はと言うとだいたい40分から1時間30分で留置します

次の問題点は、
留置したカテーテルの管理です

カテーテルも入れたら問題なしという事では無く、
その後、様々なトラブルが起こり得ます

カテーテルが途中で閉塞することもありますし、
カテーテルを埋め込んだ場所の創部がつきにくいこともあります
血管が細くなってくることもあります

そして、カテーテルの位置ずれ/脱落も起こり得ます

カテーテルの脱落を説明すると、

肝臓は、呼吸をすれば3-5cm程度、常に上下しています
咳をすれば、揺れますし、
身体の向きを変えれば、肝臓の向きも実は
おなかの中で変わっています

肝臓が動けば、その中の肝臓の動脈も動きます
カテーテルを動脈に入れていると、
常に、動いた状態で留置されていることになります

ですので、何かの拍子で、抜けてしまうことがあるのです

カテーテルの入れ方によって、抜けにくい方法、抜けやすい方法もありますし、
カテーテル自体が抜けにくい構造になっているものもありますが、
それでも脱落することがあります

この方も、
カテーテルを留置して、治療し、

スライド6 カテーテルは下に凸の形

1週間後・・
分かりにくいですが、
カテーテルの先端の位置と曲がりが
変わっているのが分かりますでしょうか?

スライド7 脱落したカテーテルは上向きに凸の形

カテーテルが脱落してもそのまま使える場合は、良いのですが、
使えない場合は、
再度、入れなおして、位置調整をやり直します

スライド8 奥に入れなおした

この場合は、もう少し奥で
安定させて、留置し直しました
これで、大丈夫なはずです

脱落含めて、そういうトラブルなく治療を進めたいのは当然なのですが、
こういうカテーテルトラブルが起きても、
冷静に、適切に、対処することがとても大切です

さぁ、夏休みなので今週は、ゆっくり
・・・・という事は、全くありません
暑いし、忙しいし・・の1週間になりそうです

さて、今週も、
ガンばりますか

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Source: ガンちゃん先生奮闘記

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