皮膚科医の読書記録2019年5月

その他ドクター

 

5月の書評は5冊。

 

★★★★★5 読まないと人生損してる

★★★★☆4 年間ベスト級

★★★☆☆3 読む価値あり

★★☆☆☆2 人を選ぶ本

★☆☆☆☆1 時間の無駄?

 

▼4月の書評はこちら▼

皮膚科医の読書記録2019年4月
4月の書評は本5冊、マンガ1つ。 本年度もそこそこ読めていると思う。 ▼先月の書評はこちら▼ 1. 研修医のための人生ライフ向上塾 評価★★★★☆4 これはとてもよい本。 研修医が…

 

1.「読まなくてもいい本」の読書案内

「読まなくてもいい本」の読書案内 (ちくま文庫) 「読まなくてもいい本」の読書案内 (ちくま文庫)

評価★★★★☆4

 

橘玲が色々な学問の最新の知見を紹介した本。難しいけど知的好奇心が刺激される骨太な内容。

専門家から見れば間違っている所もあるらしいが、これだけの広い分野の知識をまとめて読ませる筆力はさすがである。

今「人文科学」「社会科学」「自然科学」という学問の枠組みが変わりつつあるのだという。

「人文科学・社会科学」系の学問である心理学や経済学は「自然科学」系の学問の影響を受けて、進化心理学や行動経済学などの新たな形に生まれ変わった。

また哲学の難解な問題は、脳科学やカオス理論(複雑系)によって解き明かされようとしている。

たまにはこういう教養を深める本を読んでみるのもよさそうだ。

 

2. 日本進化論

日本進化論 (SB新書) 日本進化論 (SB新書)

評価★★★☆☆3

 

ニコニコ生放送で行われた有識者のディスカッション「平成最後の夏期講習」の内容をまとめた本。

日本の問題をAIなどのテクノロジーでどう解決していくかというのが本書のテーマ。

この本を読んでいると、テクノロジーを有効活用できれば日本の未来も暗くはないということが分かる。

 

しかし一番の問題は今後有権者の半数以上が高齢者になってしまうということ。

テクノロジーの活用や規制緩和などの新しい政策は、高齢者のウケが悪い。

結局、高齢有権者の強い抵抗でテクノロジーの導入は進まず、問題は解決しないまま日本は衰退していくのではないかとも感じた。

 

3. 人生は運よりも勘違いされる力で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

評価★★★☆☆3

 

錯覚資産について解説した本。

結局「人の評価は当てにならなくて、実力ではなく肩書や業績によって決まる」ということを言っているだけで、内容は薄めに感じた。

しかし「いまだ金時ラジオ」で医者の世界での応用法が解説されていて、これを聞くともう少し深く理解できる。

自分を大きくしていくためにはスキルアップだけではダメで、いかに自分をアピールしていくかが重要。

普段あまり自己アピールは考えていないので、少し意識してみたい。

 

4. 人生を半分降りる

人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫) 人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)

評価★★★☆☆3

 

ちきりん氏が推薦していることで有名。

引用やウンチクが多く読みにくい本だが、メインの主張は明快。

著者の中島義道氏は「人生を半分降りる=半隠遁」という生き方を勧めている。

出世や競争の世界から距離を置き、会議や委員会、学会など公の仕事はすべて断る。しかし大学のポストは捨てない。これが半隠遁の生き方。

「月給だけもらって好き勝手なことをする」「組織は自分のために利用し尽くす」

そんなワガママが許されるのかとも思うが、管理職になり会議など公の仕事が増えてきた自分にとって考えさせられるものがある。

人の評価を気にしないというのは「錯覚資産」とは反対の考え方。

「錯覚資産」か「半隠遁」か。2つの本を比べてみると面白い。

 

5. まんがでわかるホリエモン式飲食店経営

まんがでわかる 絶対成功!ホリエモン式飲食店経営 ~『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』外伝~ (ビジネスモーニング 2) まんがでわかる 絶対成功!ホリエモン式飲食店経営 ~『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』外伝~ (ビジネスモーニング 2)

評価★★★☆☆3

 

またまた買ってしまったホリエモン本(厳密に言えばホリエモンは監修なのでホリエモンの本ではないが)。

飲食店におけるスモール起業の重要性が述べられている。

ホリエモン本らしく内容は薄い。今回はマンガなので情報量はいつもよりもさらに少なくなっている。

それでもいつも買ってしまうのは、読みやすく役立つ内容も多少含まれているからである。

完全なゴミ本ではない「★3」くらいのレベルの本を安定して出版してくる安定感が鍵なのかとも思う。

Source: 皮膚科医の日常と趣味とキャリア

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