誰も通れぬ程、狭き道をゆけ。そこにリビング・ウィルがある。

医療機関

センセな、ワタシな、やっぱり思うんや。

この人がおってな、2人でひとつや。

夫婦は一緒におらなアカンな。

 

マスクに手袋のデブでチョンマゲの僕。

そりゃあ、怖いだろう。最初の診察の時は、

怒鳴り声やらコップやらが飛んできた。

 

今では、チョンマゲが目印で、

すぐこんなノロケ話が始まる。

 

そんな中、ご主人が風邪をひく。

経済的に在宅医療では困るから、

ご主人と概ね話をして内緒でタダで診察、

市販薬で治ってないし、薬は出せないから、

いつも行ってる地域の病院受診を勧める。

 

その様子を、僕の患者の奥さんは、

そばで、じっと聴いている。

ご主人のことが終わるまでお待ちになる。

 

コメリ行って、帰りにサンダルとユリの花買うて帰りや。

彼女はそう言って、握手して、手を振って、僕は外に出た。

 

ご主人は、いつも来てくれてる次男さんが病院へ。

薬だけをなんとかもらいにいってくれる事になった。

 

 

このご夫婦のこれからは、どうなるかはっきり言ってわからない。

それをどうしようとも思わない。と言うか、

それをどうすることも、正直、僕らには出来ない。

僕らは、ただ風を通しに、行ってるだけ。

僕らは、ただその2人の暮らしを、

ちょろっと覗かせてもらってるだけ。

 

僕のする、いわゆる人生会議?は、こんな感じ。

でも、これって、昔から町医者の先輩らは、やってたよ。

僕の習った、わらじ医者早川一光先生なんて、

患者と握手しかしてなかったよ、ホンマ((笑))

 

あ?そう?これはちゃうん?人生会議じゃない?

まあ、そうだよな。輸入モンのACPや人生会議の

ほんまの意味を知ってる人、結構少ないもんね。

アレは、どこまで行っても医療者のものだよ。

外国の本にはそう書いてある。

どこかの医療者が、輸入して都合よく書き換えただけさ。

だからさ、もうさ、ニセモンはほっといて、ホンマの話しようよ。

 

人生会議なんて、もうええやん。

すべきことは、『その人らしさ』とリビング・ウィル。

これを心底大切にできる国にしよう。

そろそろ気がついてる人も増えてきた。

勉強も本気で一緒にしよう。この国らしさはきっとある。

 

 

今日は、人生会議のことで、

大切な仲間の悔しさに触れた。

良かったら聴いてください。

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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