おはようございます。
当ブログの読者の方から、ご両親の資産運用の方針について以下のご質問をいただきました。
いつも楽しくブログを読ませて頂いております。
本日は私の両親の資産運用についてご相談致したく、ご連絡させて頂きました。
両親は父親が現在海外勤務、母親が専業主婦をしており、それぞれ57歳になります(父は65歳定年、年金は70歳まで繰り下げ予定)。
その両親でございますが、数年分の生活費等を抜いた純粋な運用原資として2,000万円ほど口座にあるようなのですが、お金をただ口座に置いておくのはもったいないので、低リスクでの運用を考えております。
ちゅり男様のブログを含め、様々な媒体で勉強した結果、個人的にはBNDなどで年利2%程度を求めた運用でまったりするのがいいのかなと思っているものの、両親はETFの購入経験がなく、彼らの手間になってしまうことも多少懸念しています。
その点も踏まえ、「貯金で置いておくのは勿体無いので運用はするけれども、年齢のこともあるしリスクは取らない運用」となると、ちゅり男様のご両親が同じような状況なら何をおすすめされるかご教授頂けましたら幸いです。
お忙しいところ恐縮でございますが、何卒宜しくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。
私の両親が60代で、退職金を含めけっこうな金額の現金を銀行口座に保有しているため、ご質問者様とよく似たケースかと思います。
結論から申し上げますと、私自身は、両親の方から資産運用について興味を示さない限り、私の方からリスクを背負って投資することを勧めたりはしていません。
自分の両親に投資を勧めるべきか否か?
投資に興味のない人が60代でゼロから覚えるのは簡単ではない
もちろん、私が両親と同じ立場であれば、銀行口座に日本円を何千万円も放置しておくことはありえません。
ただ、それは私が若い時からそれなりの投資経験があるから言えることだと考えています。
一般的には、50代〜60代になって身体的・認知機能的にも衰えが実感される時期から、新たに投資をゼロから覚えるというのは決して簡単ではありません。
その点、ご両親に今までにある程度の投資経験があるのであれば、ハードルはぐっと下がる気がしますね。
老後の生活費に不足分があるならば投資を検討してもよいが・・・
今現在手持ちにある現金と、年金の支給額から考えて、ご両親の老後の生活に不足分が生じるならば少々リスクを背負って投資をするのもありでしょう。
ただし、退職後は毎月のインカムがぐっと下がりますので、大きなミスを一度でもしてしまうとそれを取り戻すことが容易ではありません。
十分に納得したうえで資金を投下する必要がありますね。
また、今の若い人たちはスマホ全盛期に生きているため、分からないことがあればすぐにネットで調べる習慣がありますが、高齢世代はそうでない可能性があります。
これから新規で投資を始めるのであれば、少なくともネット証券を自由に使いこなせるだけのリテラシーがあるかどうかが大変重要です。
世の中のどのようなことにも共通しますが、本人から自発的に興味を抱いた場合には並ならぬ学習意欲を示す場合があります。
一方で、本人は興味はないけれども他人から勧められたから始めるというケースでは、後に後悔するケースも多い気がします。
無リスクで高利回りだけ得るというフリーランチは存在しない
結局のところ、ご両親に今までにどの程度の投資経験があるかがすべてではないでしょうか。
実際、私の両親は自社株は保有していますが、それ以上の投資経験というものはありません。
ドル転をして海外ETFを購入するといっても全く理解できないでしょうし、興味すら示さないでしょう。
よって、オススメするならば投資信託ということになりますが、私の両親の場合は現預金と年金で十分に生活が成り立つ見込みですので、少しずつ現金が目減りするにせよ特に問題ないと判断しています。
また、BND自体の値動きはドル建てでは小さいものの、為替リスクを踏まえれば円建てでは20%以上の値下がりの可能性もあります。
全く無リスクで高利回りだけ取るといったフリーランチは存在しませんので、両親とはいえ自分のお金でない以上、他人に投資を勧める時には何倍も慎重になった方がよいと思います。
個人的には、老後に詐欺的な金融商品に騙されることなく、普通の暮らしと少々の贅沢をしながら天寿を全うできる程度にお金があればそれで十分だと思います。
まとめ
両親に投資経験があり、自ら老後の資産運用に興味を持っている場合はアドバイスをするのもよいでしょう。
今までに投資経験が全くなく、現預金と年金で十分に生活が成り立つ場合には、あえて投資を勧める必要性は低いです。
【おすすめ投資本】
以下の書籍で紹介されているレイ・ダリオのオールシーズンズ戦略などは老後の資産形成にはうってつけだと思いますが、このポートフォリオを構成すること自体が容易ではありません。
世界のエリート投資家は何を考えているのか: 「黄金のポートフォリオ」のつくり方 (単行本)
- 作者: アンソニー・ロビンズ,山崎元,鈴木雅子
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2017/10/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
こんな記事も書いています。
レイ・ダリオの「オール・シーズンズ戦略」についての紹介記事です。
相続金のように自分で稼いだお金でない場合、また、両親とはいえ他人のお金である場合には、投資に関しては慎重であるべきだと思います。
老後の投資は時間が限られますので、若い時の投資と比較すると心の余裕が保ちにくいですね。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント