≪私の記録 170≫ まゆさんのこと ②

番組では、まゆさんが通っていた、
札幌の病院の取材もしていた

外来での主治医とのやり取りでは、

「太ってきているし
 顔も浮腫んでいるので、
 今の薬、合っていないのかも...」

と、医師に云われいた

再発もしているし、
どんな治療をしているのだろう...

あんなに元気でしっかり者のまゆさんだけど、
きっと病気のことでは
相当つらい思いをしてきたのだろう

まゆさんより先に乳がんになった、
乳がんの先輩からは、入院中、

「自分が病気だということを
 忘れようなんて無理。
 病気であることに“慣れろ”」

と、終わりのない
“がん”という病との向き合い方を
教えてくれていた

なんだか頷ける...

そしてまゆさんは、
周囲の人たちとのつながりを
とても大切にしていた

映画のこともあるけれど、
まゆさんの周りには
いつもたくさんの人たちがいる

温かい空気に包まれている

とても羨ましかった

きっとこれも、
まゆさんの人柄なのだろう

私には、決してあり得ないことだ

最近、自分が乳がんであることを
忘れかけ...

いや、さっきの云い方を借りると、
“慣れて”きた...とでもいうのか...

でも今月に入り、
『ピンクリボン運動月間』ということで、
あちらこちらから、

「乳がん」
「乳がん」

という声が聴こえてきて、
自分が乳がんであることを
すっかり思い出されてしまった

“やっぱり忘れることはできない”
...ということだ

“慣れるしかない”
...ということだ

“慣れる”――

簡単なようだが、
これが意外と難しい

一生できないかも...

  ――後 記――

   ※大原まゆ

    北海道室蘭市出身・札幌在住
    21歳で乳がん発覚

    ブログ『Mayuとあなたと。』
       『キセキノート。奇跡の軌跡…☆』
    乳がん闘病記『おっぱいの詩』
    闘病記映画化『Mayu ―ココロの星―』

    2009年5月9日 26歳
    乳がんの転移により永眠

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Source: りかこの乳がん体験記

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