またひとり、
乳がん仲間が亡くなった
「りかこさーん、ブログ見てるよー」
会うたびいつも明るい彼女
「ブログ、共感するわ～」
と、
本当に共感してくれているかどうかは
定かではないが、
そうやって私の心に飛び込んでくる
再発・転移したときは、
「このウィッグ見て。
野口五郎みたいでしょ」
と、ひとを笑わせるのも得意だ
本当は相当つらかっただろうに、
そんな素振りも見せない
いつも笑顔の印象しかない
そんな彼女と最後に話をしたのは
3か月前
なかなか彼女と別れられなかったのは、
いつかこんな日が来ることが
わかっていたからなのかもしれない
哀しいけれど、
長年、乳がんをやっていれば
彼女の状態があまりよくないのは
だいたい察しがつく
最近、彼女のことを
頻繁に思い出していた
落ち着かない気持ち．．．
哀しみ．．．
憤り．．．
悲しみは、訃報を知った直後より、
時間が経つほどに
じわりじわりと押し寄せてくる
私はなにかから逃れるように、
溜まった書類をひたすら
シュレッダーにかけた
こんなときは、
ひたすら集中するに限る
無心になるに限る――
「がんはやっぱり
命を奪うものなのだろうか．．．」
仲間が亡くなるたび、そう思う
こんなときだけは、
“がんは完治する可能性もある”という言葉が
きれいごとに思えるのだ
今日は、あなたを想おう
いつか観た、きれいな夕焼けとともに――
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Source: りかこの乳がん体験記
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