ある鳥のオスは、
繁殖期になると
毒性のある昆虫を食べる量が増えることがあります。
特に一夫多妻制の鳥のオスでは
その傾向があります。
鳥のほとんどは
一夫多妻制です。
これはどうしてでしょうか?
一夫多妻制の鳥の繁殖期の食生活を観察した研究結果があります。
“Males of a Strongly Polygynous Species Consume More Poisonous Food than Females”
ノガンを対象にした調査では
という成分を含む虫を積極的に食べていることが観察されています。
この成分は、
毒性が強いものの
寄生虫を排除する虫下しにもなります。
その虫下しになる量は
ノガンが良く食べているツチハンミョウでは
1~3匹で十分です。
ところが
観察の結果
繁殖期のオスは
さらに大量のツチハンミョウを食べていることが判明しました。
ヒポクラテスの時代から水腫の治療などに使われており、
またその後は
イボの治療、人口中絶、育毛剤、催淫薬、毒殺のためなどとして使われてきました。
ただし、
その毒性の問題から
内服用よりも、
多くは外用として使われていました。
以前は日本薬局方に記載されていましたが、
その毒性の強さと薬効の利用が減ったことから、
第9回改正で薬局方から外されています。
少量を内服した場合は、
激しい胃腸炎を起こし、
出血性で激しい焼けるような痛みを伴い、
嘔吐や血便などの症状が出ます。
また尿路系には
乏尿、焼け付く排尿痛、血尿などで、
尿路系に耐えられないほどの痛みが走るほか、
男性の場合は精管から精巣まで痛みが広がります。
さらに、
痛みのある持続性勃起症が起こることがあります。
多量に内服摂取した場合は、
激しい胃腸炎に続き、
精神錯乱状態になり、
腎不全から無尿、尿毒症性昏睡へと進行し、
最終的には死に至ります。
昔、
北アフリカに駐留していたフランス軍兵士たちが、
カエルを食べたことにより
勃起が収まらなくなってしまった事件がありました。
これは
のちの研究によると、
カンタリジンを含む虫を食べたカエルの後肢の筋肉に、
カンサリジンが蓄積されていたためであることが判明しました。
カンサリジンは
強力な勃起薬でもあったのです。
(参考文献:臨床家のためのホメオパシー・マテリアメディカ)
おそらく
鳥たちは
この天然の勃起作用を理解していて
繁殖期に多く食べているのでしょう。
18世紀の悪名高いフランス人マルキド・サド公爵は、
女性に催淫薬として、
この虫のカンサリジン入りのチコレートを食べさせたことで
告訴された話は有名です。
カンサリジンの成分をもっている虫は
2,000種類以上確認されています。
メスの虫は、
オスとの交尾前に、オスのカンサリジンを確認します。
メスは産卵後にオスから受け取ったカンサリジンで卵を覆い、
天敵に卵を捕食されてしまうのを防いでいるのです。
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Source: ひかたま(光の魂たち)
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