これまでも、そしてこれからも

内科医

 今夏は異常気象の影響もあってか世界中で記録的な猛暑が続いており,日本も各地で過去の最高気温を更新,熱中症の犠牲者も激増しています.

 神戸も連日うだような暑さで,日中外を歩いているとサウナに入っているような感覚にとらわれます.クリニックも自宅もエアコンをフル稼働させており,光熱費の請求書が恐怖でしかありません.
 新型コロナの陽性例は当院でも毎日のように出ており,発生数だけから見ればすでに第9波到来などと言われていますが,幸いオミクロン株はそれほど重症化率が高くなく,重症化予防の抗ウイルス薬も以前よりは簡単に使えるようになったこともあり,今やこの異常な暑さの方がよほど国民の関心事になってしまっています.

 さて,7月は盛りだくさんでした.

 前回のblogで書いたように,第1週の週末には大学の関西同窓会がありました.

 半ばには3連休をいただき,立山黒部アルペンルートに旅行してきました.弥陀ヶ原や室堂の美しい自然の中のトレッキングもさることながら,私にとっては初めて黒四ダムを訪れることが大きな目的でした.

 50年以上も前に,日本の土木技術の粋を尽くして7年もの歳月と多くの犠牲者を出して作られたこのダムはまさに高度成長期のシンボルだったでしょう.
 映画「黒部の太陽」でも描かれた通り,当時このダムの建設は考えられないほど困難を極めたことで知られています.作業員たちの労働環境も相当過酷だったようで,今風に言えばブラックの最たるものだったかもしれませんが,彼等にはこの国の明るい未来を作る一翼を担っているという自負心があったのだと思います.

 その翌週には,クリニックの納涼会を行いました.
 今年は開院15周年,少し贅沢をして,私が以前から時々個人的にお世話になっている北野のワインレストラン「Vin Vino」を借り切りました.
 ソムリエの奥さんとシェフのご主人さんがやっている雰囲気の良い素敵なお店で,スタッフ皆,時の経つのも忘れて美味しい料理とワインで心ゆくまで楽しんでくれたと思います.
 今後も職員にとっては働いていて楽しく,利用者にとっては受診してよかたといつも思ってもらえるような医療機関であり続けたいと思います.

 最後の日曜日には,以前からの知り合いである,女性チェリスト,島田瑠萌さんのリサイタルに出かけました.
 まだ20台後半の彼女は,関西を中心に室内楽,オーケストラやソロで演奏活動をしている新進気鋭のチェリストです.
 クリニックにも近い近隣の教会を借りて行われたコンサート,素晴らしいピアノ伴奏とのコラボも冴え渡り,心洗われる時間を過ごさせてくれました.競争の厳しい世界とは思いますが,彼女の今後のますますの活躍を祈ります.

 私も普通の会社員であれば年齢的にはすでにもう第一線から退く年齢でもあり,高校の同級生たちには退職して悠々自適な?生活を送っている者たちも多くいますが,幸か不幸か私はいまだフル回転で仕事をしています.
 IT化により仕事の効率がどんどん上がっているとはいえ,診察室で患者さんに丁寧に向き合うという人間対人間の作業は決して手抜きできませんし,時にはさすがに疲労困憊することもあります.

 しかしだからこそ,旅行や飲み会やコンサート等が頭をリフレッシュするいい機会になっていると感じます.

 今後何年医師という仕事を続けられるかわかりませんが,こんな感じで仕事脳のスイッチをオンオフしながら,できるだけ質を落とさず,長く,そして何よりも楽しく続けられればと思います.

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弥陀ヶ原ホテルより見える富山湾に沈む夕日
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圧巻の黒四ダムの全景


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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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