おはようございます。
公衆衛生の改善や医療技術の急激な進歩によって、「人生100年時代」が到来するのではないかと言われています。
長生きすればするほど問題になるのが、老後のお金の問題です。
日本の国民年金は1961年から保険料の徴収が開始され、国民皆年金制度が確立されたわけですが、制度の設計に携わった当時の役人も、まさか100歳まで生きる時代が到来するとは思わなかったことでしょう。
よって、国の制度に100%依存するのではなく、ある程度は「自分年金」を用意して将来に備える必要があります。
「人生100年時代」の自分年金の重要性について
自分の年金受取り予定額を把握しよう
将来の自分の年金受給額を知らなければ、老後に必要なお金のプランを立てようがありません。
将来支給される年金額について、簡単な概算式が以下になります。
1) 老齢基礎年金:払う予定の年数(年)x 2万円=1年間にもらえる基礎年金額
2) 老齢厚生年金:勤続予定年数(年) x 5500円 x 勤続中の平均年収(◯百万円)
=1年間にもらえる厚生年金額
老齢基礎年金+老齢厚生年金=1年間にもらえる年金額
1)の老齢基礎年金に関しては、2019年度は満額で780,100円です。
上記の計算式では80万円になりややオーバーですが、概算式としてはアリでしょう。
老齢厚生年金は勤続年数や勤続中の年収に大きく左右されますので、大体の数字を計算してみましょう。
夫婦二人で快適な生活を送られる支出レベルを知る
次に、夫婦ふたりで快適な老後生活を送られる支出レベルを知る必要があります。
数十年後の日本がどのような世の中になっているか正確に予想することは不可能ですが、将来のおおまかなシミュレーションをしておくことは重要です。
毎月の支出額に関しては、住居がマイホームか賃貸かでだいぶ異なってきます。
マイホームで住宅ローンが完済してあれば、住居費の割合をかなり下げることができますので、より少ない支出で生活できます。
賃貸に関しても、日本の人口動態と未だに新築賃貸物件が乱立していることを考えますと、数十年後には一部の人気地区を除けば家賃の値下がりが予想されます。
賃料というものは借り手がつかなければ何の価値もありませんので、結局は需給関係によって決まるということですね。
高年収の人ほどリタイア後の所得の落差が大きい
一般的に、年収の差ほどに年金の受け取り金額には差がつきませんので、現役時代に高年収の人ほどリタイア後の収入の落差が大きいことは意識しておきましょう。
もちろん、大企業に務める高年収の人ほど、厚生年金の受取額も大きい傾向にはありますが、現役時代の所得ほどには年金では差がつきません。
年収が高い人は生活レベルも高く設定しがちですので、同レベルの生活を維持するにはかなりの部分を自分年金で補う必要があります。
それが難しければ、あらかじめ夫婦で話し合い、将来の生活で何を優先させ、何は妥協するのか決めておく必要があります。
個人年金保険の予定利率は絶望的な状況
将来の年金の不足分に備える方法の1つとして、個人年金保険があります。
しかし、この超低金利時代においては、予定利率が1.0%未満の商品が大半で、大きく資産が増えることは期待できません。
個人年金保険は中途解約すると元本割れリスクがありますし、60歳まで資金が拘束されるリスクもありますので、それに見合う利回りとはいえない現状です。
個人年金保険料控除の対象となりますので、それを狙って年間8万円までの範囲内であえて加入する手はありますが、それ以外の利用法はないでしょう。
私自身は個人年金保険は利用していません。
iDeCoと配当金による自分年金を準備しておこう
個人年金保険を利用するよりは、iDeCoを活用した方がよいでしょう。
iDeCoは掛け金の全額が所得控除の対象になっており、自分で運用方針の決定ができますので、その使い勝手は個人年金保険の比ではありません。
iDeCoの場合、分割受け取りと一括受け取りを選択できますから、厚生年金の金額、退職金の金額によって自分に有利な方を選択できるのもよいですね。
iDeCoだけで足りない場合には、配当金による自分年金の上乗せを狙いましょう。
私自身は、若いうちは配当金を再投資、老後は配当金を生活費としながらできるだけ株数は減らさずに運用をする方針をたてています。
まとめ
「人生100年時代」を生き抜くためには、100歳まで生き抜くためのお金のプランを設計しておく必要があります。
iDeCoや配当金による自分年金を準備しておきましょう。
こんな記事も書いています。
iDeCoとつみたてNISAの枠を上限いっぱいに活用することで、老後のお金の心配をいくぶんか減らすことが可能です。
自分の老後にかかるお金だけではなく、両親や親族が要介護状態になった時にかかるお金も想定しておきましょう。
公的年金の足りない部分を配当金による自分年金で補うことが可能です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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