田中くん、あのね、どうかな~~
全身麻酔での肝心なこと知ってる?
とっても厳しい研修医時代、
今のような9時5時の労働環境ではなく、
ハッキリ言って、奴隷制度だったけど、
僕は、ユーモアな指導医に恵まれ、
今を生き抜く大切な事をたくさん教わった。
採血検査、何度も失敗して、
患者さんにも申し訳なくて、
流石に手を代えて、
他の医師に任そうとしてると、
オマエの一生に大きな痛手やと、
採れるまで頼みますと患者さんに、
頭を下げに行く指導医が居たり、
どんなに理不尽に思っても、
学生ちゃうねん、しかも、
社会人になったんやから、
学ぶんやなくて価値を産め!
耐えれるとこ見せて、俺を楽しませろ。
って、寿司屋でワサビ山盛りを、
ご馳走してくれる指導医が居たり、
ふぐ料理の店に連れて行き、薬屋の接待は、絶対アカン。
医者の人生を棒に振ると思え。と、ご自身のお財布で、
高級ふぐヒレ酒を奢って、ご指導してくれる指導医が居たり、
と、いろいろユーモアな指導医たちに囲まれて僕は育った。
そんな中、医者としての医療技術を、
一番ご指導頂いたのは麻酔科医の先輩で、
極限状態においても人間の尊厳にこだわることを教わった。
麻酔科の全身麻酔後の人工呼吸器抜管時に、
ユーモアを忘れずゆっくりとお声がけとかするけど、
ホンマのところ、患者さんの尊厳を守るには、まず、
自分自身のリラックスが大切だって教えていただいた。
大手術の全身麻酔。手術が終わり、そこから、元の状態に戻していく。
麻酔科医のお仕事は、術前の状態へ、術後に。尊厳から尊厳へ。
しっかりと穏やかにお目覚めいただく事がなにより大切。
その中でも、人工呼吸器からの離脱、
つまり、抜管時が一番重要ポイントだ。
そろそろ起きてくださいよ~。って、お声をかけながら、
自発呼吸を確認しつつ、術中の四肢拘束を、緩めていく。
田中くん、きみのリラックスが中途半端だよね。笑顔ないけど?!
もしかして緊張してる?そんなんじゃ、上手くいかんよ。
君がリラックスしてないと、患者さんのお目覚めも悪いやん。
リラックスして、、、患者さん自身が、そろそろ~って、ほら、
なってきたら、、、ほ~ら~~ご自身で抜管
彼の、術後のリカバリーは、ホント、アーティスト。
患者さんの術後のリラックスも、自己抜管を用いるから、かなり上々。
術後回診で彼の麻酔後の患者さんは、みんななぜだか穏やかだった。
いつかきっと、こんなリラックス麻酔科医に、
なりたいなあって、あの時は思っていたもんだ。
術中拘束を最小限にしたり、術後せん妄等を最小限にする働き掛けや、
術後リカバリー時において、拘束を外す手付きやリズム、声かけ、等々。
今の患者さん達へ認知症マフをお渡しする時やリハビリする時の感じに似てる。
あの自己抜管は、とっても尊厳があった。彼は、まさにアーティスト。
そんなこんなで、いつかきっと、
拘束なんて、最小限であって欲しいし、
なんなら不必要な世の中になって欲しい。
今度の関西リビングウィル研究会。
認知症マフの展示ブースもある。
認知症マフにご興味のお有り方も、
ぜひ研究会にご参加いただければ幸いです。
いつかきっと、あんなリラックス麻酔科医に((笑))。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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