おはようございます。
新NISAは年間で投資できる金額が360万円、生涯で投資できる金額が1,800万円まで増えたため、上手に使うことができれば一気に資産形成を加速させることができます。
しかし、どのような投資でもリスクは付き物であり、新NISAでは投資金額が増えた分、もし失敗した時の金銭的ダメージも大きくなります。
特に、成長投資枠では自由に商品が選択できる一方、投資タイミングや商品選択を誤ると損失も大きくなりやすいです。
eMAXIS Slimオール・カントリーやS&P500、楽天・オールカントリーなどは新NISAで選ぶ王道商品と言えますが、これらは数百銘柄以上に分散されているとは言え、株式100%の商品であり、リスクがあることを忘れてはなりません。
そこで本日は、投資初心者の方向けに「新NISAで失敗しないための注意点」について解説します。
初心者が新NISAで失敗しないための注意点!eMAXIS SlimオルカンやS&P500、楽天・オールカントリーなどの人気商品もリスクはあります!
新NISAの枠を無理して使い切ろうとしないこと
新NISAを活用するうえで最も重要なことは、無理をして新NISAの枠を使い切ろうとしないことです。
新NISAは一生使えますので、はじめの5年や10年で生涯投資枠1800万円をすべて使い切る必要はありません。
新NISAというのは、投資信託やETF、個別株といった金融商品を入れておくと利益が非課税になる箱にすぎません。
新NISA以外で保有している預貯金などの金額も考えながら、トータルの資産配分に注目するようにしましょう。
「預貯金 50: 株式インデックスファンド 50」から始めてみる
たとえば、もっともシンプルな資産配分は「預貯金50:株式インデックスファンド50」です。
この場合、一定の預貯金をキープしつつ、預貯金と同じ金額になるように新NISA内でインデックスファンドを積み立てていけばよいのです。
ところが、投資を始めたばかりの人は、新NISAばかりに目が向いてしまい、預貯金など無リスク資産の重要性を忘れやすいです。
特に、今のような株価が絶好調な局面では、銀行にお金を預けておくと損をしたような気分になります。
たしかに、銀行にお金を預けておいてもお金が増えることはありませんが、万が一の時に自分の生活を守ってくれる防御役として重要な役割があります。
新NISAで投資するのに必死になり、株式比率が自分のリスク許容度を大幅に超えてしまうと、暴落が発生した時に退場するリスクが高くなります。
この機会に今一度自分のリスク許容度を見直しましょう(下表)。
新NISAは自分のリスク許容度を超えて無理に使い切るものではなく、自分が決めた資産配分を守りながら使うことが重要です。
「成長投資枠」でハイリスクな商品に手を出さない。オルカンやS&P500でも初心者には十分ハイリスク
「成長投資枠」の魅力は、個別株やETF、REITなど幅広い商品の中から、自分が好きな商品を選んで投資できることです。
一方で、「つみたて投資枠」のように厳格な基準が設けられているわけではないため、明らかにコストが割高だったり、長期投資向きではない商品も含まれています。
自分が投資しようとしている銘柄やファンドについて、自分でじっくりと下調べをするのが好きな人は問題ありませんが、投資に割ける時間や労力に余裕がないという人には注意が必要です。
投資で失敗しないためには、
・自分が理解できない金融商品には絶対に投資しない
・自分のリスク許容度を超えるハイリスクな商品に投資しない
ことが重要です。
ものすごくリスクの高い金融商品に投資をしなくても、インデックスファンドを中心に積立投資を続けるだけで、ゆっくりと時間をかければ十分に資産形成は可能です。
eMAXIS SlimオルカンやS&P500、楽天・オールカントリーなどのインデックスファンドでも暴落時には50%程度値下がりする可能性があり、十分にリスクがあります。
また、新NISAでは他の口座と損益通算ができない分、一度大損をしてしまうと、再度投資資金を貯めるまでに余分に時間がかかります。
できるだけ損失を抑えながら堅実な運用を心がけるようにしましょう。
生涯投資枠を使い切った後は売らずに非課税で運用し続けること!
新NISAの生涯投資枠1800万円をすべて使い切った後は、新NISAで保有している商品はどうすべきでしょうか。
新NISAでは、保有している商品を売却した場合、
1) 売却した商品の運用益が非課税になる
2) その商品の購入時に使った非課税枠が翌年に復活する
というメリットがあります。
よって、利益が出ている銘柄を売って、空いた非課税枠で翌年に新規投資するという考え方も成り立ちます。
しかし、実際には新NISA内の商品は売買せず、そのまま保有し続けて非課税で長期運用するのが正解です。
株式市場の「稲妻が輝く瞬間」を取り逃すな!
株価が上下するタイミングを正確に読むことは不可能であり、タイミングを狙わずに株式市場に参加し続けることが重要です。
特に、チャールズ・エリスが言う株価が急上昇する「稲妻が輝く瞬間」を逃してしまうと、それだけで投資リターンの大半を失ってしまいます。
以下は1980年〜2016年の36年間のうち、S&P500のベスト何日を逃した場合に失う投資リターンを図解したものです(『敗者のゲーム』から引用)。
タザキの投資本案内「敗者のゲーム」/インデックス投資のメリットを説く!40年近く版を重ねる名著|ウォーカープラスこんにちは。YouTubeチャンネル「聞いてわかる投資本要約チャンネル」を運営している、二児の父でサラリーマン投資家のタ…
新NISAで売却した非課税枠が復活するのは翌年であり、一時的にせよ株式市場から離れるのはリターンを下げる要因になります。
よって、新NISAで購入した商品は「バイ&ホールド」が正解です。
まとめ
新NISAの枠を無理に埋めようとしてリスクを取りすぎないようにすることが重要です。
特に、今のように株式市場の調子がよい時は要注意です。
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特に、『敗者のゲーム』は本日の記事内で取り上げた図も載っており、私がこれまでに10回以上読んだ本です。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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