がん免疫サイクル-免疫治療における動注治療の役割-

外科医

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みなさま、おはようございます
2代目ガンちゃん先生です

今日は、じつは
息子の誕生日です
元気にすくすく成長してくれています

毎日、本当に治療も多いし
治療以外の研究、講演などもたくさんあって、
大変ですが、

子供たちが活き活きと成長してくれていることを感じると、
エネルギーが沸いてきます

私の元気の源です

今日はですね
最近、私たちが掲載した論文の紹介をしようと思います

短報ですが、
国際的な学術誌の一つの
Gastro Hep Advances
に掲載されました

スライド1

タイトルは、
The immune inductive role of hepatic arterial infusion chemotherapy prior to atezolizumab plus bevacizumab combination therapy in hepatocellular carcinoma

肝がんに対するテセントリク+アバスチン併用療法の前治療に動注化学療法を行うと、免疫誘導の作用があることを示す論文です

最近、
癌を攻撃する免疫を活性化する薬剤が
肝臓がんに使えるようになっています

テセントリクや
イミフィンジ、イジュド
と呼ばれる薬剤です

癌の免疫をいかに活性化させるかというのが、
最近の肝がん治療のトレンド
です

癌の免疫を考えたときに、
よく使われる図があります

癌免疫サイクルと呼ばれる図です

スライド2

体の免疫細胞が癌を認識し、攻撃し、排除するまでの過程を示した図です

どういうものかというと、

Step1からStep7まであるのですが、

Step1では、まず癌抗原の放出

癌抗原とは、癌が癌と認識されるための名札のようなものです
免疫細胞は、その名札を見て、これは癌で、体には存在してはいけないものと認識し
攻撃します

Step2からStep3は
免疫細胞が、それぞれの癌に合わせて攻撃できるようになるための過程
です

癌の名札をみた免疫細胞が、教育係の免疫細胞に、
どんな癌だったかをお知らせ
教育係の免疫細胞は、癌を攻撃する専門の免疫細胞を
教育し、鍛え上げたソルジャーに変化させます

この過程で、より精密にその癌を攻撃するための準備が整います
この過程がStep2からStep3です
この過程をプライミング相と呼ばれます

そして、Step4からStep7が
鍛え上げたソルジャーが実際に癌に向かっていき、
攻撃する過程
です

これをエフェクター相と呼びます

Step7までいくと、
癌は攻撃されてますので、ぼろぼろになります
ぼろぼろになると、ぼろぼろになった癌細胞から
癌抗原がさらに放出、

またStep1が始まって、Step2 ⇒ Step7まで過程がさらに進みます

このようにうまくいけばグルグルと癌を攻撃する過程が回ります
これを癌免疫サイクルと呼びます

さて、私が掲載した論文ですが、

私が進行した肝臓がんに行うことが多い
肝動注化学療法、特にNew FP療法ですが、

このNew FP療法は、
癌免疫サイクルのStep1
癌抗原の放出をたくさん起こす可能性があるのではないかという
論文を今回、掲載しました

New FP療法は、癌を強力に壊死させます
壊死させるということは、癌はぼろぼろになりますので、
癌抗原がたくさん放出される
のです

これに関する証拠をいくつか検証し、論文化しました

実際に、New FP療法を導入したあとに、
テセントリク+アバスチン併用療法を行うと、

テセントリク+アバスチン併用療法の効果が高まる可能性を示唆するデータも載せています

まだ初期の研究解析なので、さらなる検証が必要ですが、

全身の化学療法だけで、治療をし続けるのではなくて、
動注療法、とくにNew FP療法を組み合わせながら治療をしていくことに意義があることを示す研究内容でした

進行がんの治療は一筋縄ではいきません
あの手、この手、を駆使して、
治療同士も手を取り合って、最善を目指すのが良いと私は思っています

さて、今日は、日曜日
息子の誕生日プレゼントもケーキも準備OKです

喜ぶ顔が早くみたいですね

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Source: ガンちゃん先生奮闘記

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