みなさんは、がんの原因は何がいちばん多いと思いますか。生活習慣が悪かったからとか、がん家系だからと思っていませんか。
それも誤解です。
がんができる最大の要因は「偶発的要因」、つまり偶然によるものです。
これが原因の6割を占めます。
偶然とは、簡単に言ってしまえば、遺伝子の異常、突然変異です。偶発的な何らかの原因によって遺伝子に異常が起こり、それが積み重なったりすることで、がんになる確率が高まります。この遺伝子の異常は加齢とともに蓄積されてくことが知られていますから、年齢を重ねるほど、偶然に、がんができてしまう確率が高くなっていきます。
さきほどの、「なぜ私はがんになったのでしょうか」という質問の奥底にあるのは、「自分が悪いことをしたから、がんになったのではないか」という自分を責める気持ちですね。
でも、タバコも吸わなければ、お酒も飲まない、食生活や運動も気をつけて、がん検診もマメに受けている、がんで亡くなった親族もいない、そういった方でもがんになる人はたくさんいます。がんは過去とはほとんど無関係なのです。
がんに罹患し、周囲から過去の生活習慣のせいだろうと偏見の目で見られているように感じて、がんになったことを隠す人も少なくありません。
しかし、そうではないのです。偶然が6割です。
残るがんの原因の3割のうちで、大きなものは感染と喫煙です。
日本人のがんの原因の16.6%は感染が占めると推計されています。B型やC型の肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ菌による胃がんなどがその大半を占めます。
野菜不足をがんの原因に挙げる人がよくいますが、野菜を食べないからといって、それだけでがんになる人はほとんどいません。
ストレスも、がんの原因になるという科学的根拠は一致した結果がなく、一部の研究のみ関連があるとしています。
喫煙は、要因の15.2%です。
タバコが原因で起こるがんはとても多く、肺がん、食道がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、胃がんなどがあります。
今からでも禁煙すれば肺がんのリスクは下がるとされています。
お酒も要因の6.2%で、多量に飲むと、肝臓がんを引き起こすリスクになるといえます。
オーストラリアの、70歳以上の地域の高齢男性を対象として、食事内容の詳しい調査から、動物性および植物性タンパク質の摂取量を計算しました。
このタンパク質の摂取量と、がん、心血管病を含めた死亡率との関係を調査しました。
その結果、総タンパク質の摂取量とがん死亡率との関係は、少なくても、多くても、がんの死亡リスクが高くなっていて、このようにU字型になっていました。
がんのリスクがもっとも低くなるのは、1日およそ80~90gタンパク質を摂取しているグループで、最も少ない(80g未満の)グループに比べて、がんの死亡リスクが53%も減っていました。
体重60Kgとしても、1Kgあたり1.5グラムのタンパク質になりますので、結構な量になります。
次に、動物性と植物性に分けての解析です。
まず、動物性タンパク質の摂取については、摂取量が増えると、がんの死亡リスクが上昇することが分かりました。
最も動物性タンパク質の摂取が多いグループでは、がんによる死亡リスクが23%高くなっていました。
次に、植物性タンパク質の摂取については、摂取量が増えると、逆にがんの死亡リスクが低くなっていました。
もっとも植物性タンパク質の摂取量が多いグループでは、がんの死亡リスクが28%低下していました。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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