おはようございます。
2011年に日経平均は悪夢の「8135円」をつけ、その後アベノミクスなどの影響もあり、13年後の2024年に「4万円突破」を達成しました。
2011年に悪夢の「8135円」をつけた日経平均が、そこからたった13年で「4万円突破」とは感慨深いですね。
当時は株にポジティブなイメージが全く湧かなかったのに、今は大変良い時代になりました。 pic.twitter.com/onE2sLfMcD
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) April 28, 2024
これ自体は非常に喜ばしいことですが、同時に為替レートが「1ドル=80円」から「1ドル=158円」と円安が急激に進行してしまい、エルさんが指摘されたように実質リターンはそこまで華々しいものではありません。
ただ、円安になったので、実質的なリターンはそうでもないですね https://t.co/RitbekkU3q
— エル 【L】米国株投資実践日記🇺🇸🇯🇵📚 (@leveraged1) April 28, 2024
本日は、為替レートの変動を含め、日本人投資家や日本株が置かれている状況について整理してみます。
日経平均は2011年に8135円→2024年に4万円を突破!「1ドル=80円」→「1ドル=158円」の急激な円安で実質リターンはS&P500に勝てない事実
2011年〜2024年、日経平均(円建て)とS&P500(ドル建て)は良い勝負
2011年〜2024年の間、日経平均(円建て)とS&P500(ドル建て)のリターンを比較します。
以下のチャートで、青がS&P500、緑が日経平均です。
^GSPC Interactive Stock Chart | S&P 500 Stock – Yahoo Finance
自国通貨建てで見た場合、どちらも過去13年間で+300%近い素晴らしいリターンになっています。
日米の主要なインデックスに長期投資していた方は、どちらでも十分に成功していると言えるでしょう。
「1ドル=80円」→「1ドル=158円」のため実質リターンではS&P500に大敗
先ほどは日本なら円、米国ならドルと自国通貨建てでのリターンを比較しました。
次に、同じ2011年〜2024年現在までの、日経平均(円建て)と日経平均(ドル建て)を比べてみましょう。
以下のチャートで、黄色が上でご紹介した図と同じいわゆる日経平均(円建て)、赤が日経平均をドル建てにしたものです。
日経平均(円建て)のリターンは過去13年間で+300%近いですが、ドル建てになると+100%くらいになってしまいます。
これは、同時期に為替レートが「1ドル=80円」から「1ドル=158円」と約2倍の水準まで急激に円安が進んだからですね。
為替レートまで含めると、過去13年はドル建てでS&P500に投資していた人の圧勝となるのです。
日本人こそ外貨建て資産を積極的に保有しないと危険な時代に突入
2024年に入ってから円安が一段と進み、今では「1ドル=158円台」という時代になりました。
円安が急激に進んでしまうと、いくら日経平均が華々しいリターンをあげているように見えても、通貨が安くなった分を差し引いて考えなければなりません。
日本円が米ドルやユーロなどと比較してここまで弱くなってしまうと、実質リターンで勝つには相当飛び抜けた成績を残す必要があります。
もちろん、日経平均がいつか10万円に到達する可能性は否定できませんが、それよりも米ドル建ての資産やユーロ建ての資産もバランスよく保有する方が確実性が高いでしょう。
急速に円安やインフレが進む中、「何をどうしたらよいか分からない」と右往左往している日本人はまだまだ多いです。
結論としては、一刻も早く「預貯金100%」の状態を抜け出し、日本円以外の外貨建て資産、特にドル建て資産を多く保有する必要があります。
まとめ
日経平均は2011年の8135円から、2024年には一時期4万円を突破し、素晴らしいリターンを残しています。
しかし、同時に約2倍の水準まで円安が進行しており、実質リターンではS&P500に及ばない事実も受け止める必要があります。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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