人生会議やACPをやってきたとしてもそこに必要なことは、やっぱり「お話を聴く」ということ。

医療機関

ご自身で『終活』を丁寧にされてこられた。

事前から、相談所もホームページで見つけ、

わざわざ来所され保健師に相談されていた。

リビングウィルノートなんかも活用されていた。

 

 

SOSの出し方を教えたら、苦しむ子供が増えた。

そんな、ショッキングな研究結果を教えて頂いた。

人生の最終段階の人生会議やACPの事が頭に浮かんだ。

 

最近では、人生会議やACPは浸透してきてる気もする。

『終活』だって、それを学び取り組む人は増えてきた。

 

しかし、しかし、だ。

 

化学療法の止め時や、在宅医療の切り替え時や、

並診の仕方なんかも、学ばれてきた全てを、

実践されようとしてる中、そこにある『苦しみ』は、

やはり解決されず、穏やかでいられないご様子だ。

 

先生、あの治療もやって、この治療もやって、

もし急なことがある時は、延命は希望してないんやけど、

それでも心臓が悪くなってないか、いや、、、

もしかしたら、癌が悪くなってきてるのか、、、、

どれが原因か、いや、知るのは今度でもいいか、、、

いや、やっぱり、先週からしんどさが変わって来てて、

そうやなああ、、、、抗がん剤もやめることになるのかなあ、、、

なんか治療はないんやろうか、、そやけど、入院だけは嫌なんやけど、

先生、大丈夫やろうか、このままで。深夜4時から寝れんくなって。

話聴きにだけでも来てや。って、看護師さん頼んでも良いんやろうか?

 

病気の進行は避けられない。医療者の説明はない中、

それを自然と自覚され、寝れない日が増えてきた。

言葉にされないが呼吸苦も自覚されておられる。

深夜、猫と戯れ、夜が明けるのを待たれるそうだ。

 

 

 

どうか、彼や、彼と同じように病魔と闘われている方が、少しでも

穏やかに過ごせるように『ザイタク』医療が、役に立てますように。

 

その時、傍にいることを許してもらえるよう、

僕ら医療者こそ、謙虚に、学び続けよう。

 

 

急遽往診に伺った帰りの車中、

自分の無力を感じながら、無性に、

『ザイタク』愛の存在証明をしたくなった。

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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