「がんになってよかった」と言えますか?

その他

「がんになってよかった」――

あなたはそう言えますか?

賛否あるこの考え方

もちろんこの問題に限らず、
“賛否”はなんにでもあり得るのだが...

「“がんになってよかった”なんて
 言えないですよね?」

先日、同じ乳がんを患った女性から
問われた言葉だ

“がんになってからずっと考えている”

そう言っても過言ではないほど、
この言葉には重みがあると思う

当然、“がん”といっても
それぞれ症状が違う

状況が違う

人生そのものが違う

すべてのがん患者に
共通することではない

私が乳がんになって
初めてこの言葉を聞いたとき、

「なに言ってるの?」

と、思った

「死ぬかもしれない」と
いっぱい泣いて、
毎日毎日泣いて、
眠れなくて、
ごはんも食べられなくて、
絶望しかなくて、

おっぱいも切って、
痛い思いもして、

長くてつらい治療も
しなければならなくて、

治療や検査にお金もかかって、

仕事も失って、

結婚もできるかわからなくて、

子どもも産めなくなって、

ずっとずっと
再発の不安も消えなくて...

「それなのに、どうして
 “がんになってよかった”なんて
 言えるの? 思えるの?」

きれいごとだよ、そんなの...

そう、今でも“きれいごと”だと思う

今、こうして元気にしていられるから、
そんな悠長なこと言えるのかもしれない

もし余命を告げられていたら、

「がんになってよかった」

なんて思えないと思うから

それでも
こうして元気にしていられることは
ありがたいことで...

がんが教えてくれたことは
たくさんあって...

そう思うと、

「がんになってよかった」と
言えるのかもしれない

「がんになってよかった」――

それはきっと、きれいごと

でも、
がんは人生を教えてくれたものでもある

ひとの痛みも温もりも優しさも知った

だから、
「がんになってよかった」と思うことで
救われることもあるのだと思う

まぁ、これも、
のんきな思いなのかもしれないけれど

本当は、がんになんて
ならないほうがいいのだろうけど

  夕方の月

2024/06/17 夕方の月

  だいぶ膨らんできたね

  あと5日で満月――

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Source: りかこの乳がん体験記

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