今日は、予約の外来があって僕のことを息子のように心配して頂ける患者さんに
今の『ザイタク』医療に取り組めること、ちゃんと、家族に感謝するよう諭された。
本当に有り難いことだなあと思いながら、昔のことを思い出した。
昔々、リハビリ医学にドップリの頃、
田舎の療養病棟の運営を任されていた。
当時の療養病棟は、地域の姨捨山。
何年も家に帰れない患者さんがおられた。
その理由はもちろん様々で、家族からも、
そして、医療者からも、無関心の渦の中。
彼らが療養病棟で暮らし続けることを、
幼い僕にはどうしても理解できない日々。
先輩医療者も無く誰からも教えられない。
この状況はいったい善なのか悪なのか、
僕の幼い心は毎晩悲鳴を上げていた。
彼らの人生は終わることなく続く。
その答え探しで病院を離れられない毎日。
新婚時代からそんなだから、
妻を始め息子や娘には本当に迷惑をかけた。
そんな時代を知る仲間が今も一緒に、患者さんの『ザイタク』を、
探し求めてくれている。『ザイタク』は場所じゃない。
患者さんの意志をどこまでも追及したものが『ザイタク』だ。
ぶっちゃけ、迷惑をかけた家族には、今やっと罪滅ぼしの毎日。
大切にすべき人を大切にできなかった人間も、今こうして、
多くの仲間が応援してくれる。感謝しかない。だからこそ、
この『ザイタク』だけは、やっぱり諦めるわけにはいかない。
主語が自分であることも、相変わらず成長が無いのだけれど。
今日も全力で『ザイタク』と向き合った。
僕にはそれしかできないのだから。
感謝謙虚笑顔でこれからも挑戦しよう。
除け者みたいな僕だけど、
もう少しだけ獣みたいに、
猪突猛進でいれたらいいな。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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