おはようございます。
私が投資信託とETFに関する書籍を出版したこともあり、ブログでも投信とETFの使い分けに関するご質問をいただくことが多いです。
一般的な回答としては、「同じ指数(インデックス)に連動する商品で、コスト差が小さければ投資信託がオススメ」となります。
・全世界株に投資するならVTよりもeMAXIS Slim オルカン
・S&P500に投資するならVOOよりもeMAXIS Slim S&P500
・NASDAQ100に投資するならQQQよりもニッセイNASDAQ100同じ指数に連動する商品なら投資信託を選んだ方が簡便ですね。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) June 17, 2024
昔は投資信託とETFのコスト差が大きく、ETFを買う方が長期では明らかに有利だったので、VTやVTI、QQQなどの米国ETF投資がオススメでした。
今では、eMAXIS Slimシリーズやニッセイ、楽天・プラスなど低コスト投資信託が充実してきたため、米国ETFに投資する意義は少なくなっています。
【ETFより投資信託】全世界株ならVTよりオルカン、S&P500ならVOOよりeMAXIS Slim 米国株式、ナスダック100ならQQQよりニッセイか楽天・NASDAQ100がオススメ
全世界株式ならVTよりeMAXIS Slimや楽天・オルカンがオススメ
大前提として、投資信託とETFには以下のような違いがあります(下図参照)。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書 1年生』から引用
大きな違いとしては、
・リアルタイム売買や分配金の受取など個別株に近い運用スタイルを求める人はETF
・バイ&ホールドが中心で、分配金自動再投資や投信積立などで手間を省きたい人は投資信託
がおすすめです。
インデックス投資では頻繁に売買する必要はなく、分配金は再投資に回すことが有利であることを考えると、基本的には投資信託がオススメとなります。
全世界株式インデックス投資の場合、米国ETFならばVT、投資信託ならばeMAXIS Slim オルカンや楽天・オールカントリーなどが代表的な投資先です。
以前はETFと投資信託のコスト差が大きかったのですが、今ではオルカン系投資信託の信託報酬が0.05%台まで下がっており、コスト面では完全に互角となっています。
VTのベンチマークは「FTSE グローバル・オール・キャップ・インデックス」、オルカンのベンチマークは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」なので投資対象指数が異なります。
細かく言えば、FTSEは小型株まで含んだ約9000銘柄を対象とし、MSCIは大型〜中型株を中心に約2800銘柄へ投資します。
銘柄数だけ見ると大きな差がありますが、時価総額の大きい大型〜中型株がほぼ共通していますので、両者のリターンには大差がありません。
VTとオルカンをより詳細な比較は以下の記事を参考にしてください。
S&P500ならVOOよりeMAXIS Slimや楽天・S&P500がオススメ
先ほどのVTとオルカンは厳密にはインデックス(指数)が異なりましたが、次にご紹介するS&P500やNASDAQ100は投資信託でもETFでも完全に同じ指数となります。
同じ指数に投資をする以上、その商品がきちんと運用されている限り、投信を選んでもETFを選んでも同じリスク・リターンになるのは当然のことです。
よって、
1) 信託報酬などのコストが安い
2) 純資産額が順調に伸びており、実質コストを含めた運用面が安定している
といった条件を満たしていれば、どれを選んでも大差はありません。
世界の中で、純資産額が大きなETFのトップ3をS&P500 ETFであるSPY、IVV、VOOが占めています。
3つ合わせて200兆円を超える規模であり、流動性の点では無敵と言えます。
国内の投資信託の場合、これまでの運用実績や流動性を重視するならeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で決まりでしょう。
純資産額が4.8兆円というのは凄まじい数値です。
対抗馬は楽天・S&P500で、純資産額では劣りますが、信託報酬が業界最安という魅力がありますね。
ナスダック100ならQQQよりニッセイか楽天・NASDAQ100がオススメ
マグニフィセント・セブンなど米国巨大テック銘柄の好調を受け、ナスダック100に投資する商品も人気を集めています。
一番メジャーなのは米国ETFのQQQで、先程の純資産額が大きなETFランキングでも5位に入っており、40兆円を超える巨大ETFとなっています。
QQQは経費率も0.20%と低く、非常に魅力的な商品ですが、昨今の株高の影響で1株485ドル(約70000円)必要であり、毎月積立に向いているとは言えません。
ナスダック100に投資する投資信託に目を向けると、現時点でオススメできるのは、
1) ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
2) 楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド
3) eMAXIS NASDAQ100 インデックス
あたりです。
信託報酬の引き下げに積極的であること、販売会社の豊富さ、ここ1年の純資産額の伸びなどを考慮すると、私のイチオシは「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」です。
eMAXIS はニッセイに対抗して信託報酬を0.2035%に引き下げましたので、今後の伸びに期待ですね。
楽天は純資産額が370億円とやや物足りないですが、業界最安の0.198%という信託報酬は魅力です。
まとめ
同じインデックス(指数)に連動する商品の場合、コスト差が小さければETFより投資信託を選んだ方が便利です。
近年では投資信託の低コストが急速に進んでおり、ETFを積極的に選ぶ場面はかなり減ってきましたね。
【ちゅり男初の単行本です。応援よろしくお願いいたします!】
これから投資を始める方が絶対に知っておくべき知識だけを厳選してこの1冊に盛り込みました!
豊富な図解入りで文章も分かりやすく書き上げたので、コスパ、タイパともに抜群だと思います。
ぜひ本書を手にとっていただき、絶好の投資スタートを切っていただければ嬉しいです。
ブログとともによろしくお願いいたします。
【関連記事のご紹介】
S&P500投資といっても、投資信託、国内ETF、米国ETFなど様々な選択肢がありますね。
インデックス投資だけでは物足りない方は、タレブ氏のバーベル戦略を参考に、PFの10%〜15%くらいハイリスク資産を取り入れるのも面白いです。
Tracers S&P500トップ10インデックスが早くも人気を集めていますね。
FANG+や一歩先行くUSテック・トップ20よりも信託報酬が安いのが魅力です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント