おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
いつもブログを拝見させて頂いております。
投資に興味を持ち、本年度からインデックス投資を始めます。
米国株に比重を置きたく、米国株を構成比75%以上とした長期・分散・低コストを目標に以下の投資信託のポートフォリオを立てています。
日本および新興国への分散はあまり考えておらず、今のところは株式100%で考えております。
①<購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
②eMAXIS slim 先進国株式インデックス
③楽天VTI ※つみたてnisa併用
④eMAXIS slim 米国株式(S&P500) ※つみたてnisa併用
⑤eMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー)
⑥eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)
若干 ③④を他より多めに積み立てる想定でおり、⑤⑥は他よりもかなり少ない金額で積み立てる想定です。
初年度の積立金額はトータルで200万程度を考えています。
他のブログの方ですがアセットアロケーション分析をするツール
https://blog.tacos-heaven.xyz/tool/pizzallo.htmlがあり、上記の構成であると
日本株式 5.5%
米国株式 80.2%
先進国株式 13.8%
新興国株式 0.5%
となります。
ここからが本題なのですが、
1.投資信託初心者の場合で保有本数が6本なのは多いでしょうか?
例えば
・eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等)
・楽天VTI
・eMAXIS slim 米国株式(S&P500)
で上記のパーセンテージに近づけるように少ない本数で集中積立した方が管理のしやすさやパフォーマンスも上がりやすいでしょうか?
2.またニッセイ外国株式インデックスファンド、eMAXIS slim 先進国株式インデックスは同じベンチマーク(MSCIコクサイインデックス )に連動するように運用を目指しておりますが、同じベンチマークに連動する投信を複数もつのはアリでしょうか?
eMAXIS slimシリーズはライバルが出ると信託報酬の引き下げを随時行っていると聞きますし、ニッセイ外国株式インデックスファンドは純資産もかなりの規模で右肩上がりなので選定しております。
どんぐりの背比べかもしれませんが、将来的に信託報酬の引き下げや商品に強みが出た方に増資していくことでバランスをとっていくのが良いでしょうか?
ご回答頂けましたら幸いです。
ご質問ありがとうございます。
投資信託を6本保有するのは何も問題ありませんが、私ならば以下の点を修正します。
というのは、私はポートフォリオは可能な限りシンプルに保つ方が管理しやすいと考えるからです。
同じような物を複数保有するのはエレガントではありません。
以下はそういう考えに基づいての意見になりますので、そのあたりを差し引いてお読みください。
米国を重視した先進国株投資用のポートフォリオをどう組むか?
初心者が投資信託を6本保有するのは問題ありません・・・が、
具体的には、
1) 新興国株 0.5%は保有していないのに等しいため、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は切る
2) ニッセイ外国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim先進国株式インデックスは同じなので、どちらかに絞る
3) 楽天VTIとeMAXIS Slim全米株式(S&P500)もほぼ同じなので、どちらかに絞る
とします。
新興国投資が必要ないならeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は不要
まずはじめに、新興国株0.5%というのはほぼ保有していないのに等しく、ポートフォリオ全体のパフォーマンスに何の影響も与えません。
よって、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は不要です。
Slim全世界株式(オール・カントリー)を切った分、日本株の割合を増やしたければ、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を少し増やせばよいです。
MSCI KOKUSAI連動の先進国クラスを2つ保有する意味はない
日本を除く先進諸国(MSCI KOKUSAI)に投資をする投資信託として、
・ニッセイ外国株式インデックスファンド
・eMAXIS Slim先進国株式インデックス
の両者を検討されていますね。
この2商品は指数が同じですので、会社によって多少運用成績に差が出る可能性はありますが、どちらか一方でよいでしょう。
ニッセイとSlimは信託報酬も全く同じですので、2つ保有する意味がありません。
同じ指数に連動する商品を複数保有してもよいケースは以下の通りです。
1) 数年前から積み上げている商品があって、すでに含み益が膨らんでおり、売却すると20.315%の税金で長期リターンが下がる
2) その商品を長期間保有する中で、同じ指数に連動するより信託報酬の低い商品が新たに誕生した
この場合に、過去の商品を残しつつ、新規積立分はより低コストの商品を購入するのはリーズナブルです。
ただし、これから投資を始めるという時点で同じ指数の商品を2つ保有するのは手間がかかるだけです。
楽天VTIとeMAXIS Slim全米株式(S&P500)はどちらか一方でよい
楽天VTIとeMAXIS Slim全米株式(S&P500)もほぼ同じ成績を示す商品ですので、どちらか一方でよいと考えます。
信託報酬も楽天VTIが0.1696%、Slim全米株式(S&P500)が0.1728%とほぼ同一ですので、大きな差が出るとは考えにくいです。
本家ETFと比較した場合、投資信託の永遠の問題点としてベンチマークとの乖離が大きいことが挙げられますが、発売されて1年しか経過していない現時点でどれだけ議論しても結論は出ないでしょう。
ベンチマークとの乖離、繰上償還などのリスクを背負いたくなければ、初めから数兆円規模で運用されている本家ETFを購入するしかありません。
VTIとS&P500の長期パフォーマンスを比較
最後に念の為、本家VTIとIVV(S&P500 ETF)の長期成績を示します。
VTIが発売された2001年以降の長期チャート(配当込みトータルリターン)です。
この18年間では小型株を含むVTIのトータルリターンがS&P500をやや上回っていますが、ほぼ同じ値動きを示しており、誤差の範囲内と言ってよいでしょう。
そもそも、VTIを構成する約3,500の銘柄の中にはS&P500の企業群が含まれるわけですね。
そして、S&P500を構成する企業の時価総額でVTI全体の80%以上を占めるわけですから、ほぼ同じ値動きになって当然と言えます。
まとめ
初めから新興国株投資を考えていないのであれば、
1) 日本以外の先進国(MSCI KOKUSAI)
2) 米国(VTI or S&P500)
3) 日本株(TOPIX)
の3つに絞ればよいと思います。
【楽天証券】
楽天証券で楽天カード決済で投信積立を行い、1.0%分の楽天スーパーポイントを獲得するのが最も賢い方法だと思います。
こんな記事も書いています。
山崎元先生は、日本株 40:先進国株 60(もしくは50:50)という、極めてシンプルなポートフォリオを推奨されています。
つみたてNISAでは、より期待リターンの高い株式100%で積み立てるべきでしょう。
インデックス投資は、究極的にはVTもしくはVTIに帰着すると思います。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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