「会わせたい人がいたら、
今のうちに連絡をとってください」――
それはまるで、
ドラマの中の台詞
まさか現実に
こんな言葉を聞くことになるとは
思ってもいなかった
それは、
母が2度目の緩和ケア病棟に
入院をしたときのこと
1度目の入院ではすでに、
“余命2か月”と告知されていた
1か月半後、
2度目の緩和ケア病棟入院
母は、
「今度入院したら、
もう家には戻って来られないから
入院はしたくない」
と、最後まで拒んでいた
が、もうほとんど食べられず、
座っていることさえ難しくなっていた
「ね、入院しよう。
今、ごはんも食べられないから、
点滴してもらったら元気になれるよ。
病院で少しゆっくりしよう。
そうしたらまた前のように、
家に戻って来られるから」
私は哀しい嘘をついた
ぜったい家には戻って来られない
この家にいられるのはこれが最後――
母はかなりつらかったのだろう、
「病院、行く」
と、小さく答えた
2度目の余命の告知を受けたのは、
そのとき
「あと1週間だと思ってください」
担当の医師からそう言われたのは、
“余命2か月”の告知から
ちょうど2か月後だった
そして
付き添ってくれた看護師さんから
「会わせたい人がいたら
今のうちに」――
という、あの台詞が出たのだ
父と顔を見合わせ、
「連絡しなければならない人、
もういないよね」
と、言葉を交わした
この2か月というもの、
本当にたくさんの人が
母に会いに来てくれたから
が、逆に、
「こんなにたくさんの人に来てもらって、
母、自分の命が短いことに
気づいてしまわないだろうか」
と、
余命を本人に伝えていなかった分、
不安が大きかった
伯母のとき、
「えー、なに?
次から次へと
しばらく会っていなかったひとばかり
来てくれて。
私、もうすぐ死ぬの?」
なんてこともあったくらいだ
で、考えた
私は...
私の場合は、
「誰にも連絡しないで」
と、事前に周囲に伝えておこう
むかしの友人、知人が来てくれたら、
それこそ伯母と同じ気持ちになりそうだ
それに会いたいひとも、
会っておきたいひとも特にいない
父と、遠くで暮らしている妹にも
会わなくてもいいくらい
さすがにそうはいかないか
『最期は誰にも連絡しないでください』
と、
エンディングノートにつけ足しておこう
そしてまだ自分が動けるうちに、
誰かにエンディングノートを
託さなければ――
入院している姿や、
弱っているところは、
誰にも見られたくないしね
それが、
“余命いくばくもない”となれば
なおのこと...
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Source: りかこの乳がん体験記
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