愛してます。好きにしてよ。君に会いに行くよ。

医療機関

ここ2週間で4人の方とお別れした。

とても素敵で穏やかな旅立ちだった。

お手伝いさせていただけて幸せだった。

しっかりとリカバリーの土曜日にした。

 

 

お一人目は、100歳目前。

息子さんご家族が献身的に介護され、

僕らと付き合うこと、もう3年暮れた。

息子さん曰く、ここまで来たんやさかいにな、

病院には行かんでええねんけどな、ちょっと、

ほんのちょっとでええねん先生、点滴したってや。

ここまで好き勝手言ってきて、すまんけど、

これが最後の頼みや。好きにさせたってや。

 

二人目の方は、いよいよが迫ってもなお、

新しい赤い電動カートの駐車スペースのことで、

ケアマネさんらに、何度もお世話になった。

最後の車なんやさかいにな、ワシの好きにさせてくれ。

一方で、彼は最後まで、律儀な方だった。

病院の外来看護師さんが大病をされお辞めになる時、

お礼を言いにわざわざ外来へ。一緒に頑張ろうと、

声を掛け合い涙を流され、お別れしてきたそうだ。

その2週後に、彼は愛する奥さまが見守る中、息を引き取られた。

 

 

三人目の方は、人工透析が生きがいだった。

先生、ワシなこの家で死にたいんや。

そやけどな、最期まで透析もしたいんや。

家族がいろいろ言うかもやけどな、先生頼むで。

好きにさせてくれや。アンタに決めたんやからな。

 

そして、四人目の方。

彼はとってもダンディで、日ごろから準備万端。

病院の先生にご紹介いただいた病院ホスピスの、

申し込みの面談も、ちゃんと済ませた上で、

静かにそっと、ご自身のお気持ちを田中に話された。

先生、僕は、この家で家族に迷惑が掛からないなら、

介護が必要となる最後の時間が、二週間程度なら、

ここに介護のベッドを置いて息子らのギター聴きながら、

この家で最期の時まで暮らしたい。そして、最期を迎えたい。

彼は、好きなことを好きなようにさせて、

自分の子供たちを育ててきたそうだ。

旅立たたれた時、彼の奥さまが教えてくれた。

 

彼も、好きなようにできたから、良かったわ。

 

 

彼ら4人のリビングウィルは、

しっかりと守ることができた気がする。

 

彼らの願いを叶えれば叶えるほど、

自分自身のリカバリーはより一層、

深く深く必要になってしまう。

 

大切な両親の時と真逆になる皮肉。

 

 

このリカバリーが、自分自身で、

好きなように、できなくなる時、

ザイタク医療は引退だと決めている。

 

今日のリカバリーもより一層素敵だった。

なので、もう少し、頑張れそうだ((笑))

 

皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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