母との想い出。

医療機関

お正月に、ベッドサイドで転倒され、大腿骨頚部骨折。

103歳のお母さんと絵描きの長男さんの二人暮らし。

同居されている長男さんは、病院での治療がないならば、

痛みだけ和らげてもらってこのままお家で看てあげたいと。

 

 

お食事の取れる量は徐々に減って、心臓も老衰。

酸素の値も、徐々に下がってきて、一週間。

嫌いなお風呂の訪問入浴が今日から始まるって日の早朝。

 

穏やかに、静かに、天寿を全うされた。

 

 

 

看護師と一緒に、お身体を綺麗にして、

着慣れた鶯色のポロシャツをお召しになられ、

ベッドのシーツと枕カバーもサラに変え、

次男さんの到着をお待ちして、死亡診断書の説明をした。

 

その待ち時間、お母さんの寝顔を見ながら、昔話。

長男さんが小学生の頃、愛媛の今治桜井の海辺の町で、

暮らしておられたそうだ。海辺で暮らしてたけど、

泳げないお母さん。運動音痴だったそうだ。

だから、今もお水が怖くて、お風呂が嫌い。

 

その今治桜井から見る瀬戸内海はとても美しく、

今絵描きとなった長男さんは、その風景を描いた。

その絵が、小学生絵画コンクールで入賞して、

お母さんとその展覧会に行って、一緒に喜んだ。

今もその光景が目に浮かぶと、優しい涙目で話された。

 

 

 

ザイタクは、とても美しい。

大切な時間をご一緒させていただき、

ありがとうございました。

安らかにお眠りください。合掌。

 

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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