誤射と「杞憂」

その他

グレート・スモーキー山脈国立公園。
米国東部で最も広い自然保護地域です。
この公園は、豊富な野生動物の楽園として、
1976年に生物圏保護区に指定、
1983年、ユネスコの世界遺産に登録されています。

 greatsmokeynps.gov.  

ここである少年がキャンプ中に、ハンモックで寝ていたら、クマに揺らされました。
少年は驚いたところ、ツキノワグマに引っ掻かれました。

クマは、よほど驚かせたり、過剰に刺激しない限りは、人を襲うことはしない穏やかな動物です。
今回は、少年がびっくりしてパニックになったのかもしれません。
少年は、軽い擦り傷。

その報復として、
米国政府は、近くにいた疑わしいクマを射殺。

公園当局者は、現場に行き、
とりあえずその付近にいたクマを射殺を試みました。
クマは銃弾を浴びたまま、逃走しました。

翌日公園でしかけた罠に嵌まっているクマを発見、
昨日撃ったクマだと思い、
そのまま射殺しました。

ところが、そのクマたちは異なるクマたち。
しかも、
最初に銃撃したクマと罠に嵌めて射殺したクマは、
どちらも
DNA鑑定で少年を引っ掻いたクマではありませんでした。

全く無実のクマさんたちだったのです。
すでに一頭は射殺、
もう一頭は銃弾を浴びたまま苦しみながら森の中をさまよっているかもしれません。

これが人間であったなら、誤射による殺人として、大きく問題になるところですが、
クマであったために、無実のクマたちを射殺しても全く問題にすらなりませんでした。

でも、
動物愛護団体の調査によると、これはよくあること、だそうです。
公園管理者は、
クマの心配よりも、
利用者の評判と自分の地位の評判が下がることを怖れるそうです。

昨年たった一年間だけみても、
米国野生生物局は、
270万頭の無実の動物たちを殺処分しています。
その中には580頭のクマたちも含まれています。

それに加えて、
各州の自治体では、
はるかに多い数の野生動物たちが殺処分されています。

たとえば
今年の春ハイカーたちが仔グマたちを追い回して、
木に追い詰めて、母クマを怒らせた件では、
被害が無いのにかかわらず、
当局はその報復として、
このクマの一家五頭全頭を皆殺しにする決定を下しました。
もちろん罪のない仔グマたちも殺処分です。

幸いなことに、
この殺処分決定を聞いた多くの人たちが怒り、
処分は取り消されることになりました。
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でもこうやって表沙汰になり、
殺処分を免れるのはとても稀なことです。

毎年とても多くの罪のないクマたちが殺され続けています。
米国では、この数百年間でクマに殺された人の数は、63人。
クマに出会ったら殺されてしまうと言う大げさな報道もなされます。
しかも一方的にクマが悪いわけではありません。

クマを殺せば、
「一般の人が安心する」、「地域の評判が落ちない」、「自分の立場も安心」などと

殺す理由は、ほとんどが人間の都合です。

最後に、シベリアで母グマを射殺した後に残された仔グマたちの写真です。
この年齢で、母親を失ってしまう・・・。

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当局は、クマを殺し続けることは、人々の要望だと言う立場に立っています。
本当に、大多数の人は無実のクマを殺すことに賛成しているのでしょうか?

当局からすれば、沈黙は賛成と見なされます。

誰も何も言わなければ、
このままクマは殺され続けます。

現代社会では
同じようなことが
たくさん起きています。

起きていると言うよりは
意図的に
起こしています。

単なる風邪でも
大袈裟に報道すれば
誰もが
注射に殺到します。

良心ある専門家が
止めても
誰も聞く耳を持ちません。

多くの報道で
人々の不安を煽り
恐怖心を日常的に抱かせるよう仕向けられています。

それによって
莫大な利益を手にする集団がいる限り
そのようなことは
繰り返し起こるでしょう。

ある論文で
数年前の全例PCR検査が正しい方針だったのかを検証する研究結果が発表されました。
当時でさえ
これは無駄な事だという現場からの指摘も多くありましたが
研究結果は
それを裏付けるものでした。
全例PCR検査は、意味が無いことが示されました。

他にも多くの無駄が
恐怖心によって起こされ
その結果
多大な国家予算が
垂れ流しとなっていたのです。

いまになって
本当に必要なところに
国家予算が使えない状況に陥っています。

「杞憂」
中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したということに由来する言葉です。
過剰に心配することの喩えです。
これは動物たちが過剰に殺処分される動機の一つになっていると思います。
これは人間たちが過剰に薬や注射を求める動機の一つになっていると思います。

私たちは、過剰にクマを怖れるようになってはいないでしょうか?
そもそもクマの生息地に侵略し続けているのは、人の方です。
よりよい共存共栄を考える時期に来ていると思います。

こちらはロシアからの写真。
これらのクマが野生なのか、母グマが殺された孤児たちなにかはわかりません。
でも、クマが本来優しい生き物であることはわかります。
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Source: ひかたま(光の魂たち)

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