「え? りか、長生きしたいの?」――
乳がんがわかる1年ほど前だっただろうか
当時、勤めていた職場で
なんとなく“長生き”の話になった
“長生き”が何歳なのか定義はわからないが、
ざっくりと、
「82歳くらいまで生きられたら
長生きなのかな...」
と、個人的には思っていた
そんなとき、
「え? りか、長生きしたいの?
そんなに長生きしたいの?」
そう聞いてきたのは、
私より10歳ほど年上の女性
『いやー、100歳とか、
そんなに長生きはしたくないけど...』
そう思いながら、
「え? 長生きしたくないんですか?」
そう聞くと、
「うーん、あんまり長生きはしたくない」
と、彼女からそんな答えが返ってきた
誰もが「長生きしたい」
そう思っていると思っていた
が、そうではないらしい
それからしばらくして
私の乳がんがわかった
「長生きどころか、
あと何年生きられるか...」
乳がんがわかったのは、
左胸にしこりをみつけてから
すでに4年8か月後
全身検査をすると、
肝臓に転移らしき影も認められた
「残された時間は、あと2年か...」
長生きどころではなくなった
“死”というものが現実味を帯びる
“悠長な長生き話”どころでは
なくなったのだ
あれからすでに20年近く
当時の彼女の年齢を越えて思うのは、
“長生き”という現実問題
あの頃の私は、
まだ“老いる”という意味が
全くわかっていなかった
彼女が、
「長生きはしたくない」
そう言っていた気持ちが
なんとなくわかりはじめた
しかも、もう身体はボロボロだ
乳がん、
臼蓋形成不全からの変形性股関節症、
そして骨粗しょう症
ほかにもまだまだ、
様々なものを抱えている
乳がん治療をはじめてから、
体調も決していいとは言えない
「長生きはできないな...」
と、最近思うようになった
「こんな身体で長生きしたい」とも
思わない
私には、子どももいない
きっと、ひとり静かに
この世を去っていくのだろうと思う
大病をすると...
病を抱えていると...
年齢を重ねていくと...
生き方や考え方が
いろいろと変わってゆく
死生観は、
そのときそのとき、
状況や立場によって
どんどん変化していくものだ
今の考えが、2年後、3年後、
また変わっているかもしれない
まぁ、それでも確実に
最期の日は来るわけで...
それまで、
“あす”という見えない未来を
ただ有意義に生きていくだけである――
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Source: りかこの乳がん体験記
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