ザイタク医療は愛になれるかい?

医療機関

胸部心臓血管外科に入局したのはもう27年前。

当時の胸部心臓血管外科の教授今村洋二先生に、

憧れて、志望した。彼がいつも身に着けていた、

GOLDのネックレス、石原裕次郎にもらったもの、

これがカッコいいから、彼に憧れ、胸部外科に。

 

彼から教わった今でも覚えている2つの大切なこと。

一つ目は、製薬会社のお金で遊ぶな。自分の稼ぎで遊べ。

二つ目は、患者の人生に最期まで責任を持て。死の場面は大切だ。

 

一つ目で思い出されるのは、

教授室前に並ぶMRさん達に自分の部屋には来るな、

と彼はいつも追い返していた。薬の事は自分で学ぶ。

患者に必要な時、必要なものだけ、情報提供しろ。と。

 

二つ目で思い出されるのは、

胸部心臓血管外科のどの患者の最期の時間にも、

彼はやってきて、お顔にかかった白い布を上げ、

救えなくて申し訳ない。よく頑張られましたね。

と、声を掛けられていた。患者さんご本人に、

そして、ご家族に、どんな深夜だったとしても、

霊安室に移った時、必ず、声掛けに来られていた。

 

 

決して製薬会社と付き合わず、

患者の人生に最期まで責任を持つ。

 

そこには、働き方改革やコスパやSDGsなんかは、

関係ない。次元が違う。『死』の文化には愛を。

 

これこそが医療だ。そして、愛だ。

消えても忘れられても、僕たちは、

こんなザイタク医療であり続けたい。

 

関わった患者さんの『死』の場面を、

軽んじる事なく、これからも有りたい。

 

ザイタク医療は愛になれるかい?

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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