今日の訪問が私達にとってプレゼント。
肩の荷が下りてフワッと楽になったわ。
定年退職後、彼はお酒に溺れた。
一週間にウイスキーの瓶が５本。
彼はお酒があれば、何も言わない。
アルコールで認知症も進んで行った。
いつの間にか、年月が過ぎていき、
彼は日本人の平均寿命まで生きた。
彼も、傍でずっと辛抱だった奥様も、
あと一つ、たった一つ望むものは、
穏やかな最期。これがプレゼント。
今日それを知らずにお家に訪問した。
いつも通り初診での在宅医療の説明。
今までの苦労話をお聞きし、その後、
彼の日常生活動作を細かく教えて頂いた。
別に介護で困っていることは、
これと言ってなかった。
彼は彼らしく、身の回りのことを、
時間はかかるが、やっておられた。
おトイレの事だって、失敗したら、
ご自身で風呂場で綺麗にされてる。
事件を疑われ警察のお世話にならず、
望まない医療にもお世話にならず、
ただただ、夫婦で暮らしてきたこのお家で、
静かに、そして穏やかに、そっと最期が来る。
その時、静かに穏やかに死亡診断して欲しい。
これが、ご夫婦にとっての一番のプレゼント。
こんな医療が、ザイタク医療って、
私知らなかったわ。知ってたら、
早くからお世話になりたかったわ。
訪問時、険しかったお顔が、優しくなっておられた。
ザイタク医療が、もっともっと、
身近な存在になるよう発信し続けたい。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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